ニジアケボノアゲハ♂ (ボルネオ) Atrophaneura nox noctis
Malayan Batwing (Borneo)
種分布:マレー半島、大スンダ列島

記録:2020/2/29
場所:ラナウ、ボルネオ、マレーシア (Ranau, Borneo, Malaysia)

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ニジアケボノアゲハ♂ 表面

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ニジアケボノアゲハ♂ 裏面


♂♀異型・異斑。♀は大型で翅型は丸味を帯びる。

表示亜種 noctis ♂ (北ボルネオ)
亜種noctisの分布:北ボルネオ→♀

900m前後の低山地に棲息し、原生林の林縁を飛翔したり、吸蜜に現われたりする。♂、♀共に早朝から見られ林縁の葉に静止しているが、陽が昇ると共に樹上を飛翔するようになる。渓流沿いでは見られず、吸水や動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。
飛翔は緩やかで真っ黒に見える。ボルネオではヘレナキシタアゲハ(Troides helena)と同所的に見られる。ヘレナキシタアゲハは午後でも見られるが、ニジアケボノアゲハは11時前には姿を消すことが多い。
棲息範囲は限定され、原生林以外では見かけない。棲息地では個体数は必ずしも少なくないが、まとまって見られる種類ではない。

♂の翅表の地色はビロード状暗紺黒色で、斜めから見ると前翅後縁部から後翅まで青紫色の輝きを現わす。前翅第4~8脈の両側には、淡灰白色条が不鮮明に現われる。それ以外は無紋である。
翅裏の地色もビロード状暗紺黒色。斑紋構成も翅表と同様であるが、前翅裏面の翅脈両側の淡灰白色条は第3~9脈に現われ、中室付近まで伸びると共により鮮明になる。