アサギシロチョウ♂ (ボルネオ) Pareronia valeria lutescens
Malayan Wanderer (Borneo)
種分布:マレー半島、ボルネオ、スマトラ、ジャワ、パラワン

記録:2017/9/4
場所:コタキナバル、ボルネオ、マレーシア (Kota Kinabalu, Borneo, Malaysia)

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アサギシロチョウ♂ 表面 (ボルネオ)

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アサギシロチョウ♂ 裏面 (ボルネオ)


♂♀異斑。♀はアサギマダラ類に擬態している。
アナイスアサギシロチョウ(P. anais)と代置種関係にあり、本種アサギシロチョウはマレー半島以南に分布する。

表示亜種lutescens ♂ (ボルネオ)
亜種lutescensの分布:マレー半島、スマトラ、ボルネオ→♀
他亜種valeria 分布:東ジャワ、バリ→♀

低山地に生息地が多く、所によって1,200m程度の中山地に生息する。♂は村落付近の草地や山道を飛翔したり、吸蜜に現われたりする。吸水個体や動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。
♂の飛翔はシロチョウ類にしては速く、直線的に飛翔する。飛翔中は全体が水色に見える。類似する外観の種類はいないので、現地で飛翔中でも同定できる。アナイスアサギシロチョウとは類似するが、分布域が異なるので現地で混同することはない。
生息範囲は比較的広く、個体数は少なくない。年間の発生時期は不明であるが、ほぼ通年にわたって発生しているようである。

♂の翅表の地色は水色で、翅脈は黒色になる。前翅の翅頂部から外縁に太い黒縁があり、翅脈に沿って水色部に黒縁が食い込む。後翅外縁にも太い黒縁があり。前翅同様に水色部に黒縁が食い込む。
♂の翅裏は翅表と類似する斑紋構成であるが、色調は全く異なる。地色は淡水色で、縁取りは淡灰褐色になる。翅脈は淡灰褐色で、明瞭に現われる。
アナイスアサギシロチョウと類似する。区別点はアナイスアサギシロチョウの項を参照。