タイワンチャバネセセリ♂ (台湾) Pelopidas sinensis sinensis
Chinese Branded Swift (Taiwan)
種分布:インド北東部、南・東中国、台湾、北ミャンマー、北ラオス、北ベトナム

記録:1971/7/15
場所:拉拉山、台湾 (Lala Shan, Taiwan)
本個体は台湾拉拉山で1971年に採集したものである。当時は規制はなかったが、現在は採集禁止になっている。

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タイワンチャバネセセリ♂ 表面 (台湾)

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タイワンチャバネセセリ♂ 裏面 (台湾)


♂♀類似斑。♂は前翅表面に褐色棒状の性標がある。

表示亜種 sinensis ♂ (台湾)
亜種sinensisの分布: インド北東部、南・東中国、台湾、北ミャンマー、北ラオス、北ベトナム

台湾では1,000m~2,000m程度の中・高山地に棲息する。本種は学生時代1971年に採集した1個体のみで、当時は目立たないセセリと思って棲息地の記憶があまりない。1,000m程度の低山地にも棲息するようなので、再会してもよさそうであるが未だ見ていない。おそらく他のチャバネセセリ同様、林縁の草本に静止しているのではないか想定している。
インドシナ北部にも記録があるが、稀な種類と思われる。ラオスのプーサムスン付近で見られるのではないかと期待している。

♂の翅表の地色は茶褐色。前翅中室端上に2白斑があり、大きく鮮明に現わる。常に上下に分離し融合しない。第2~4室および第6~8室に6個の白斑が並び、そのうち第2、3室の白斑が大きい。後翅表面の第2~5室に4個の白斑が並ぶ。
翅裏の地色はやや黄緑を帯びた褐色。斑紋構成は翅表と類似するが、後翅第2~5室の4個の白斑に加え、第6室と中室内に各1個の白斑が明瞭に現れる。後翅の白斑はやや銀白色を帯びる。
チャバネセセリ属の他の種類と類似するが、本種は大型であること、翅表白斑の発達が強いこと、後翅裏面中室内に明瞭な銀白斑を現わすことで区別できる。