コウトウマダラ♀ (ボルネオ) Danaus melanippus thoe
White Tiger (Borneo)
種分布:北インド、南中国、台湾、南ミャンマー、タイ、ラオス、マレー半島、大スンダ列島

記録:2019/3/14
場所:ラナウ、ボルネオ、マレーシア (Ranau, Borneo, Malaysia)

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コウトウマダラ♀ 表面 (ボルネオ)

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コウトウマダラ♀ 裏面 (ボルネオ)


♂♀類似斑。♂の後翅第3脈には黒色の性標がある。亜種により配色・斑紋の変異は大きい。

表示亜種 thoe ♀ (ボルネオ)
亜種thoeの分布:ボルネオ
他亜種 hegesippus 分布:バングラデッシュ、中央・南ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム、マレー半島→♂、スマトラ

ボルネオのサバでは低地から800m程度の低山地に棲息地が多く、標高が上がると見かけなくなる。樹林地近辺の草地で飛翔していたり、吸蜜にきていたりする。渓流沿いでみられることは少なく、吸水や動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。
飛翔は緩やかで、特に♀は緩慢である。ボルネオ亜種の飛翔中は白と黒が混ざって見える。色調からゴマダラタイマイの擬態モデルと考えられるが、飛翔は本種コウトウマダラの方が緩やかである。スジグロカバマダラと混棲するが、色調が異なるので区別は容易である。個体数はスジグロカバマダラの方が多い。

翅表地色は黒~黒褐色で、前翅の外中央部に大小の白斑が多数配列し、白帯が斜めに配置するように見える。後翅表面の外縁と亜外縁に小白斑が配列し、翅脈は地色と同色になる。ボルネオ亜種thoeの地色は黒色で、前後翅共に翅脈間は白色で、白と黒の対比が明瞭である。
ボルネオ亜種の翅裏地色と斑紋は翅表と同様であるが、前翅中央から基部間の翅脈は、黒色に樺色味が加わる。