アカボシゴマダラ♂ (台湾) Hestina assimilis formosana
Red Ring Skirt (Taiwan)
種分布:東・南中国、朝鮮半島、台湾、奄美大島、北ベトナム

記録:2019/7/10
場所:埔里、台湾 (Puli, Taiwan)

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アカボシゴマダラ♂ 表面 (台湾)

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アカボシゴマダラ♂ 裏面 (台湾)


♂♀類似斑。♀は♂に比べて大形で、翅形はより幅広くやや丸みを帯びる。奄美大島に日本固有亜種が棲息し、外国産は別亜種に属す。

表示亜種 formosana ♂ (台湾)
亜種formosanaの分布:台湾

台湾では低地から1,000m程度の低山地に棲息地が多く、標高が高くなると見かけなくなる。主に樹林地で見られ、林縁の上方を飛翔したり、テリを張ったりする。渓流沿いでは見られず、吸水個体も観察していない。台湾では、獣糞や山道脇に散布した動物性ベイトに誘引された個体を観察している。
飛翔はタテハチョウにしては緩やかで、飛翔中は赤色斑より黒色に淡水色の混在に見え、リュウキュウアサギマダラに擬態している。林縁上方を滑空するように飛翔していることが多い。飛翔中はリュウキュウアサギマダラを想起させるが、リュウキュウアサギマダラの方が飛翔はより緩やかで淡色に見えるので、生態から区別は可能である。
台湾では、北部から南端部まで全島の平地〜山地帯に広く分布する。埔里近郊では5月後半から見られ、以降発生を繰り返す。個体数は少なくない。

翅表の地色は黒色で、リュウキュウアサギマダラ型の淡水色斑が配置する。後翅表面の外中央にはリング型の赤色斑が配置する。台湾亜種の後翅の赤色斑は、赤色斑の下部が欠ける馬蹄型になる。
翅裏の地色は黒色で、斑紋は翅表と同様である。
類似する斑紋の種類は見当たらないので、同定は容易である。