ヒメシロシジミ♂ (台湾) Leucantigius atayalicus atayalicus
種分布:台湾の特産種

記録:2018/6/2
場所:埔里、台湾 (Puli, Taiwan)

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ヒメシロシジミ♂ 表面 (台湾)

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ヒメシロシジミ♂ 裏面 (台湾)


台湾産ゼフィルスの1種で、オナガシジミ属(Araragi)やミズイロオナガシジミ属(Antigius)と別方向に分岐した近縁のヒメシロシジミ属(Leucantigius)に属する。

表示亜種 atayalicus ♂ (台湾)
亜種atayalicusの分布:台湾

台湾中部〜中南部の中山地から高地に棲息し、樹林地や稜線の林縁に静止していたり、飛翔していたりする。ゼフィルスにしては低標高側にも棲息し、800m前後の標高でも見られる。吸水に来る例は観察していない。
飛翔は弱々しく黒っぽく見える。樹木から離れずすぐに静止することが多い。木の高さにもよるが2~3mの位置でも見られる。
棲息地は限定され、個体数は多くない。4〜6月に出現する年1化の発生で、7月には見られない。

♂の翅表の地色は淡灰黒褐色で、前翅中央部に薄く不鮮明な灰白色斑が広がる。後翅は外縁に、灰白色斑の中に淡灰黒褐色を含む斑点が並ぶ。そのうち第2室の斑点の黒色味が強く目立つ。その下部に細長い尾状突起がある。
翅裏の地色は灰白色で、前後翅共に外縁に淡褐色の線条と斑点が配列する。さらに前後翅を通じ、亜外縁から基部側にかけて淡褐色の線条が縦にはしる。後翅裏面第2室外縁の黒点は大きく、黒点の内側に淡橙色線条が付随する。また、後翅裏面第1a室外縁に小黒点が配置する。