タイワンキチョウ♂ (台湾) Eurema blanda arsakia
Three Spot Grass Yellow (Taiwan)
種分布:インド、スリランカ、南中国、台湾、沖縄、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、大スンダ列島、小スンダ列島、スラウェシ、フィリッピン、モロッカ、ニューギニア

記録:2018/6/10
場所:埔里、台湾 (Puli, Taiwan)

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タイワンキチョウ♂ 表面 (台湾)

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タイワンキチョウ♂ 裏面 (台湾)


♂♀類似班。♀の地色は♂より淡色になる。台湾産は沖縄産と同一亜種に属する。

表示亜種 arsakia ♂ (台湾)
亜種arsakiaの分布:沖縄、台湾→♀
他亜種 silhetana 分布:北東インド、シッキム、ミャンマー、タイ、ラオス→♂、ベトナム

低地から低山地、1,200m程度の中山地に多いが、場所によって1,900m程度の高地にも生息する。村落付近の草地や、山地の樹林地近辺の草地などで飛翔していたり、吸蜜していたりする。湿地で吸水に現われ、動物性ベイトにも誘引される。
飛翔は緩やかで♂は黄色が目立つ。他のキチョウ類と混生することが多く、生態から区別することは困難である。吸水地では多数の吸水集団を作ることがある。
生息範囲は広く、個体数は多い。キチョウ類の中でも最も多い部類に属する。時期的には殆ど通年にわたって見られる。

台湾産は、台湾のキチョウ属の中、キチョウ(E. hecabe hecabe)と共に最も大形になる。
♂翅表の地色はレモンイエローで、キチョウやエサキキチョウ(E. alitha esakii)のように濃黄色になることはない。前翅表面の翅頂部から外縁に黒帯が現れる。♂の外縁黒帯の形状は、最も発達する夏型でも第1室の黒帯は内側に向かって強く張り出さない特徴がある。後翅表面外縁に黒色の縁取りが現れるが、出現に強弱がある。後翅第3室外縁の角張りはなく、後翅外縁は滑らかな円弧を描く。
翅裏の地色もレモンイエローで、淡褐色の斑点が前後翅共に複数現れる。前翅裏面中室の斑点は、最も発達した場合には3個になる。
なお、♂は、前翅裏面の基部に翅脈に沿う性標がある。