マルバネルリマダラ♂ (スラウェシ) Euploea eunice westwoodi
Blue-Branded King Crow (Sulawesi)
種分布:南中国、台湾、ミャンマー、タイ、ラオス、マレー半島、大スンダ列島、小スンダ列島、スラウェシ、フィリッピン、ニューギニア

記録:2016/9/3
場所:パロポ、スラウェシ、インドネシア (Palopo, Sulawesi, Indonesia)

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マルバネルリマダラ♂ 表面 (スラウェシ)

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マルバネルリマダラ♂ 裏面 (スラウェシ)


♂♀異型・異斑。大型種。地理変異は大きくなく、前翅表の青黒色に強く光る色調はほぼ全亜種に共通。

表示亜種 westwoodi ♂ (スラウェシ)
亜種westwoodiの分布:スラウェシ→♀

低地から1,100m程度の中山地に棲息し、樹林地で樹木付近を飛翔したり、渓流沿いを飛翔したりする。動物性ベイトに誘引された例は観察していない。
飛翔は緩やかで、大型の藍色個体が羽ばたいているという印象がある。他のルリマダラ属(Euploea)の種類と混棲するが、本種は大きさから区別できることが多い。ただ、スラウェシの亜種westwoodi では、他の種類も大きいので区別が難しくなる。
分布域は広い種類であるが、ルリマダラ属の中では個体数は多くない。

♂の前翅後縁は著しく湾曲し、弧状を呈する。この翅形から♂の外観は特異な印象を受ける。♀の前翅後縁は殆ど直線状になる。
♂の翅表の地色は暗藍黒色で、前翅外中央に大きな淡藍斑が列状に並ぶ。また、中室端を囲むように小淡藍斑が並び、第1b室に矩形の淡藍斑がある。後翅表面の外縁には小淡藍点が各室に配列し、その内側に縦長の淡藍斑が並ぶ。♂は後翅表面中室前半より第5、6、7室の基部にかけて帯状の褐灰色の明瞭な性斑がある。
♂の翅裏の地色は黒褐色で、前翅裏面では外縁と外中央に小淡藍点が配列する。また、翅表と同様に中室端を囲むように小淡藍斑が並ぶが、第2室の斑紋は大きく明瞭である。上方に続く斑紋は変異が大きくほぼ消失する個体もある。前翅裏面後縁は褐色帯が広がり、中央第1b室に褐色の矩形斑がある。後翅裏面の外縁と亜外縁には淡藍点が配列する。また、中室下部の第2~4室に細長い淡藍斑がある。