コモンマダラ♂ (ラオス) Tirumala septentrionis septentrionis
Dark Blue Tiger (Laos)
種分布:インド、スリランカ、アフガニスタン、ヒマラヤ、中国南部、台湾、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、大スンダ列島、パラワン

記録:2015/9/30
場所:バンビエン、ラオス (Vang Vieng, Laos)

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コモンマダラ♂ 表面 (ラオス)

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コモンマダラ♂ 裏面 (ラオス)


♂♀類似斑。♂には、後翅裏面第1b室中央に扁平な袋状の突起物の性標があり、♀にはこれがない。

表示亜種 septentrionis ♂ (ラオス)
亜種septentrionisの分布:アフガニスタン、ヒマラヤ、北インド、中国南部、台湾、ミャンマー、タイ、ラオス→♀、ベトナム、マレー半島、北西スマトラ

低地から1,000m程度の低山地まで生息し、村落付近の草地や樹林地で飛翔したり、吸蜜に現われたりする。渓流沿いで見られる個体は少ないが、吸水に現われたり動物性ベイトに誘引される個体も見かける。
陽射しが強い草地でも構わず吸蜜している印象がある。飛翔は緩やかで、特徴的な黒に淡水色斑が見える。ウスコモンマダラ(T. limniace)やリュウキュウアサギマダラ(Ideopsis similis)と混生し、飛翔中は同じように見えるが、リュウキュウアサギマダラはやや小型に見える。
殆ど通年にわたって発生している。生息範囲は広く、個体数は少なくない。

翅表の地色は黒褐色で、前翅には中室に淡青白線条があり、その外側第1室に横長の淡青白斑と淡青白線条がある。また、前翅外縁に淡青白斑が配列し、亜翅頂部から中室にかけて淡青白斑が円弧状に並ぶ。後翅表面には、外縁と外中央に淡青白斑列がそれぞれ並び、中室内にV字状淡青白線条が配置する。
翅裏の斑紋は翅表と殆ど同じであるが、地色はやや明るい色調になる。
ウスコモンマダラに極めて類似し、斑紋の位置および配列は本質的に同様である。区別は、本種コモンマダラの全体の青白斑は小さく、その色彩はウスコモンマダラに比べてより青味が強いこと、前翅中室外第2室の斑紋が特に大形とならないこと、前翅第1室基部の上下の2つの斑紋は、その外側末端が上下に揃わず、下方の細条の末端はより内側で終わること、裏面の地色はやや褐色を帯び、ウスコモンマダラのように黄緑色を帯びないこと。以上の点で区別できる。