ペレアコイナズマ♂ (ボルネオ) Tanaecia pelea lutala
Malay Viscount (Borneo)
種分布:ミャンマー南部、タイ半島部、マレー半島、ボルネオ、スマトラ

記録:2018/3/3
場所:コタキナバル、ボルネオ、マレーシア (Kota Kinabalu, Borneo, Malaysia)

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ペレアコイナズマ♂ 表面 (ボルネオ)

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ペレアコイナズマ♂ 裏面 (ボルネオ)


♂♀類似斑。♀はやや大型になり、前後翅の白斑列は太く明瞭になる。

表示亜種 lutala ♂ (ボルネオ)
亜種lutalaの分布:ボルネオ
他亜種 pelea 分布:南ミャンマー、タイ半島部、マレー半島→♂

低山地に生息し、主に樹林地で見られる。樹林内の小道や林内の空間に生息し、地面付近を飛翔していたり低位置の小枝の葉先に静止していたりする。近づくと樹木間を緩やかに飛翔する。林外では少なく、林縁でも陽が当る明るい空間では見られない。渓流沿いや動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。パイナップルトラップに誘引される。
飛翔は緩やかで白っぽく見える。ムンダコイナズマ(T. munda)などコイナズマ属の種類と混生し、生態も相互に類似する。本種ペレアコイナズマはやや力強さを欠く印象がある。
生息範囲は広くないが、生息地では個体数は少なくない。通年の発生時期は不明であるが、マレー半島では1月~3月に見られた。

同一亜種の斑紋は安定しているが、異なる亜種間では変異は大きい。
ボルネオ亜種lutala♂の翅表の地色は茶褐色で、外中央に灰白色で縁取られた黒褐色線条が縦に配列し、その内側に灰白色斑が並ぶ。また、中室内から基部に、褐色で縁取られた矩形斑が配置する。後翅表面には、中央と内側に矢尻状黒褐色斑を含む灰白斑が各室に配列する。また、中央部から基部に黒褐色線条が複数配置する。
翅裏の斑紋は翅表と殆ど同様であるが、地色は灰褐色になる。また、後翅裏面の灰白斑は地色とほぼ同色になり、黒褐色斑が目立つため後翅全面に黒色褐色斑が散在するように見える。
本亜種の裏面は白化する傾向がある。