テダセキレイシジミ♀ (ランカウイ) Drupadia theda renonga
Dark Posy (Langkawi)
種分布:南ミャンマー、タイ、ラオス、マレー半島、ボルネオ、スマトラ、スラウェシ、フィリッピン

記録:2016/1/18
場所:ランカウイ、マレーシア (Langkawi, Malaysia)

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テダセキレイシジミ♀ 表面 (ランカウイ)

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テダセキレイシジミ♀ 裏面 (ランカウイ)


♂♀異斑。亜種間の変異は大きい。

表示亜種 renonga ♀ (ランカウイ)
亜種renongaの分布:タイ半島部、ランカウイ→♂
他亜種 umara 分布:ボルネオ→♂, →♀

海岸近くの低地から400m程度の低山地に生息し、主に樹林地の林縁で葉に静止していたり、林内の陽が射しこむ葉の上でテリを張っていたりする。渓流沿いや吸水にくる個体は観察していない。
飛翔は緩やかで、木の葉の周辺をチラチラと飛翔する。林縁の密集していない木の周りで枝から離れずにいることが多く、直ぐに静止する。翅を閉じて静止し、翅裏の斑紋が特異なことから、フシギノモリノオナガシジミ属の種類であることは容易に認識できる。
フシギノモリノオナガシジミ(D. ravindra)と混生する場合が多く、生態も類似する。生息範囲は限定される。個体数はフシギノモリノオナガシジミと同程度で多くはない。また、まとまって見られる種類ではない。

♀の翅表の地色は黒褐色で、前翅中央部に横長の大きな橙斑がありよく目立つ。他は無紋。後翅表面の地色の黒褐色は下方に向かうほど淡色になり、肛角部では灰色燐が加わる。また、肛角部の第2、第3室では灰色燐の中に褐色斑が現われる。
♀の翅裏の斑紋構成は♂と類似するが、前翅裏面の地色は橙色で、基部に向かうほど淡橙色になる。外中央に褐色の線条斑が、中央に褐色に縁取られた橙帯が縦にはしる。中室端に短橙条が現われ、その上方前縁に淡橙斑が現われる。また、中室中央と基部に橙褐色斑がある。後翅裏面の地色は白色であるが、亜外縁の褐色線条の外側は淡橙色になる。また基部側に黒褐色の短条斑が散在し、外中央付近にV字状斑を含む線条対の斑紋が並ぶ。肛角部の斑紋は翅表と類似し、褐色線条の外側は淡青燐が散布し、第1b室と第3に黒斑がある。また、第1室の褐色線条の内側は細い橙条が付随する。
同じ地域に生息するフシギノモリノオナガシジミの亜種mooreiと類似する。フシギノモリノオナガシジミ♀は前翅表面に大きな橙斑を現わさない。また♂♀共に、フシギノモリノオナガシジミの後翅裏面のV字状斑は中が全部白抜きにならず、黒色条になる。