シロシジミ♀ (台湾) Ravenna nivea nivea
種分布:南・東中国、台湾、北ベトナム

記録:2017/5/24
場所:埔里、台湾 (Puli, Taiwan)

171111Eb02SW
シロシジミ♀ 表面

171111Eb04SW
シロシジミ♀ 裏面


♂♀異斑。ゼフィルスの1種類で、 ヒメシロシジミ (Leucantigius atayalicus) と近縁種。
♀の翅表の地色は白色で、前後翅共に基部側は灰色味を帯びる。前翅表面の前縁から翅頂、外縁にわたる太い黒褐色の縁取りがある。この黒縁から内側の翅脈上には、黒褐色の鱗粉が短くのる。また、中室端に短い黒褐色短条がある。後翅表面の外縁には細い黒褐色線が縁取り、その内側に淡灰黒色帯があり、さらにその内側に不鮮明な淡灰色帯がある。前翅同様に後翅中室端に短い黒褐色短条がある。第2脈の先に細長い尾状突起がある。
翅裏の地色は白色で、前後翅にわたり外縁には細い淡褐色線が縁取り、その内側に不鮮明な淡灰斑が2列縦に並ぶ。外中央と中央に淡褐色線条斑が2本はしり、中室端に短かい淡褐色線条斑が配置する。後翅裏面の中央に不鮮明な淡灰色帯が縦にはしる。内中央に淡灰色帯が斜めに配置するが、下方では中に白色を含む線条斑に代わり、第1a、1b室でW字状斑になる。亜基部には淡灰色線条が4本現われる。後翅の第1a室と第2室外縁に橙斑を伴う黒点があり、裏面で目立つ。

台湾の1,000m程度から高標高の中山地に棲息し、林縁の木の葉付近を飛翔したり、静止していたりする。木の高所ではなく、2~3mの高さでも見られ、ゼフィルスといっても見つければ採集は容易である。
飛翔は速くなく、飛翔中は灰色っぽく見える。不活性な種類のようで、風が吹いて飛び出しても木の葉から離れずホバリングしている印象がある。ヒメシロシジミと混棲し、生態も類似する。個体数は本種の方が少ない。
埔里近郊の山地では5月末~6月初めに見られた。棲息範囲は限定的で、個体数は多くない。特に♂は稀なようで、いまだ見たことがない。