チャイロタテハ♂ (タイ) Vindula erota erota
Common Cruiser (Thailand)
種分布:インド、南中国、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、ボルネオ、スマトラ、ジャワ、パラワン、スラウェシ

記録:2014/10/8
場所:チェンダオ、タイ (Chaing Dao, Thailand)

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チャイロタテハ♂ 表面

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チャイロタテハ♂ 裏面


♂♀異斑。♂の翅表の地色は黄橙色で、全後翅を通じ外縁に波状黒褐色線条斑が2本並ぶ。中室端にも黒褐色線条斑が縦にはしり、外縁の線条斑との間は地色が淡黄色になり、かつ不鮮明な波状斑がある。また前翅第5、6室の中央部に黒斑が現れ、中室に黒褐色短条斑が現れる。後翅表面には外縁の2本の波状黒褐色線条斑に加え、外中央に不明瞭な直線状灰褐色帯があり、その外側第2、5室に眼状紋がある。
翅裏の斑紋構成は殆ど翅表と同じであるが、地色はやや淡色になり、短条斑は明瞭に現われる。前翅表面第5、6室の中央部黒斑は裏面では白色になり、外中央の直線状灰褐色帯は裏面では濃色になり明瞭に現われる。

標高200m~800m程度の低山地に棲息するが、場所により1,200m程度の中山地でも見られる。主に樹林地で見られ、渓流沿いで吸水に集まる。動物性ベイトに強く誘引され、モンキアゲハなど黒系アゲハや、チャイロフタオなどのタテハチョウと共に吸水集団をつくる。
飛翔はドクチョウ亜科の種類にしては速く、飛翔中は橙褐色に見えてよく目立つ。他の種類と同所的に吸水に集まるが、本種は暑さに強いタフな種類である。黒系アゲハは陽が当たって暑くなると数が少なくなるが、本種は暑くなっても増加し、その内本種だけの集団になることもある。棲息範囲は広く、個体数は多い。