ウラクロフタオシジミ♂ (ラオス) Remelana jangala ravata
Chocolate Royal (Laos)
種分布:北インド、ミャンマー、タイ、ラオス、マレー半島、大スンダ列島、バリ、スラウェシ、フィリッピン

記録:2015/9/27
場所:バンビエン、ラオス (Vang Vieng, Laos)

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オスルリフタオシジミ♂ 表面 (ラオス)

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オスルリフタオシジミ♂ 裏面 (ラオス)


♂♀異斑。♀の前翅表面の青色斑は♂より幅広い。

表示亜種 ravata ♂ (ラオス)
亜種ravataの分布:北東インド、ミャンマー、タイ、ラオス
他亜種 travana 分布:タイ半島部、マレー半島→♂

低地から600m程度の低山地に棲息し、標高が高くなると見られなくなる。村落付近の2次林付近や樹林地で見られ、木の葉や地面に静止していたり、道端の留水で吸水したりする。渓流沿いでも吸水に飛来し、動物性ベイトに誘引される。
飛翔中の記憶はあまりなく、気が付くと地面など低位置に静止している個体を見つけるという場合が多い。静止中は翅を閉じていることが多く、裏面は黒く見えて目立たない。吸水性は強い方で、ゴマフフタオチョウ Polyura nepenthes など大きな種類に混じってポツンと吸水していることもある。
棲息範囲は狭くない。個体数は少なくないが、まとまって見られる種類ではない。乾季、雨期共に見られ、通年で発生しているものと思われる。

♂の翅表の地色は黒色で、前翅第1a室、第1b室、第2室の基部から中央付近まで濃青色斑が広がる。後翅表面でも、基部から外中央まで濃青色斑が斜めに広がる。また、後翅表面外縁の第1a室、第1b室、第2室では灰色の線条が縁取り、第1b室、第2室では内側に暗黒色斑がある。細長い尾状突起が2本付随する。肛角の突起状部は灰色を呈す。
翅裏の地色は濃いチョコレート色で、前翅の下部は淡灰褐色になる。前後翅を通じ、外中央に褐色の線条斑が円弧状に縦にはしる。 また、前後翅の裏面中室端に短褐色線条が現れる。後翅裏面第1~5室の外縁には灰色の線条が縁取り、第1a室、第2室では黒斑が、第1b室では灰色鱗粉が散布する。その上部には青緑の線条が連なり、第2室では青緑線条の内側に灰白色斑がある。
対象の範囲で類似斑の種類は見当たらないので、同定は容易である。