テダセキレイシジミ♂ (ランカウイ) Drupadia theda renonga
Dark Posy (Langkawi)
種分布:南ミャンマー、タイ、ラオス、マレー半島、ボルネオ、スマトラ、スラウェシ、フィリッピン

記録:2016/1/15
場所:ランカウイ、マレーシア (Langkawi, Malaysia)

210908Eb17SW
テダセキレイシジミ♂ 表面 (ランカウイ)

210908Eb18SW
テダセキレイシジミ♂ 裏面 (ランカウイ)

♂♀異斑。亜種間の変異は大きい。

表示亜種 renonga ♂ (ランカウイ)
亜種renongaの分布:タイ半島部、ランカウイ→♀
他亜種 umara 分布:ボルネオ→♂, →♀

海岸近くの低地から400m程度の低山地に棲息する。主に樹林地で見られ、♂は林縁で葉に静止していたり、林内の陽が射しこむ葉の上でテリを張っていたりする。渓流沿いや吸水にくる個体は観察していない。
飛翔は緩やかで、木の葉の周辺をチラチラと飛翔する。林縁の密集していない木の周りで枝から離れずにいることが多く、直ぐに静止する。翅を閉じて静止し、翅裏の斑紋が特異なことから、フシギノモリノオナガシジミ属の種類であることは容易に認識できる。
フシギノモリノオナガシジミ(D. ravindra)と混棲する場合が多く、生態も類似する。棲息範囲は比較的限定される。個体数はフシギノモリノオナガシジミと同程度で多くはない。また、まとまって見られる種類ではない。

♂の前翅後縁は中央部で下方に突出する。翅表の地色は淡黒褐色で、前翅中央部に不明瞭な橙斑がある。他は無紋。後翅表面の肛角部では灰色燐が加わる。また、3本の尾状突起があり、中央の尾状突起が最も長い。
♂の前翅裏面の地色は灰褐色で、淡橙色味が加わる。外中央に褐色の線条斑が、中央に褐色に縁取られた暗橙帯が縦にはしる。中室端に短褐色条が現われ、その上方前縁に暗橙斑が現われる。また、中室中央と基部に褐色斑がある。後翅裏面の地色は灰白色であるが、亜外縁の褐色線条の外側は淡橙色になる。また基部側に黒褐色の短条斑が散在し、外中央付近にV字状斑を含む線条対の斑紋が並ぶ。肛角部の褐色線条の外側は淡青燐が散布し、第1b室と第3に黒斑がある。また、第1室の褐色線条の内側は細い橙条が付随する。
同じ地域に棲息するフシギノモリノオナガシジミの亜種mooreiの♀と類似する。フシギノモリノオナガシジミmooreiの♂は後翅表面に鮮やかな青色斑が広がり、区別は容易。また♂♀共に、フシギノモリノオナガシジミの後翅裏面のV字状斑は中が全部白抜きにならず、黒色条になる。