ルリタテハ♂ (台湾) Kaniska canace canace
Blue Admiral (Taiwan)
種分布:インド、中国、朝鮮半島、日本、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、大スンダ列島、スラウェシ、フィリッピン

記録:2017/5/28
場所:埔里、台湾 (Puli, Taiwan)

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ルリタテハ♂ 表面 (台湾)

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ルリタテハ♂ 裏面 (台湾)


♂♀類似斑。日本にも棲息し、食草の関係から身近で見られる場合もあり、馴染み深い種類である。

表示亜種 canace ♂ (台湾)
亜種canaceの分布:インド、中国、台湾、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム
他亜種1 perakana 分布:マレー半島→♂
他亜種2 maniliana 分布:ボルネオ→♂

東南アジアでは低山地から2,000m近くの高地まで見られ、垂直分布は広いが中心は500m〜1,300m程度の中山地である。樹林性の種類で、樹林内の小道や林縁の空間を迅速に飛翔する。樹液や腐果、獣糞にも集まる。渓流近くで吸水に集まる姿もみられ、動物性ベイトにも誘引される。
原名亜種の中でも、台湾産は埔里近郊の渓谷で個体数は比較的多く見られる。林道でテリを張っていて、近づくと敏速に飛び去るがまた戻ってくることを繰り返す。飛翔中は黒褐色に見える。
タイやラオスでは樹林地の林縁等で見かけるが、飛び去ると戻ってこない印象がある。個体数は台湾より少ない。

台湾、インドシナ等の原名亜種は、マレー半島以南の亜種(perakana)に比べ前翅表面前縁中央のルリ紋はやや白色味を帯びる。また、原名亜種の前翅外中央から後翅に続くルリ帯の幅は狭く、後翅のルリ帯内に暗青小点が現れる。
日本亜種(no-japonicum)では、前翅表面前縁中央の紋は大きく白色味が強い。日本亜種のルリ帯の幅は原名亜種と同程度で、後翅のルリ帯内に暗青小点が現れる。全体として、原名亜種は日本亜種とマレー半島以南の亜種との中間の形態を示す。