モリノオナガシジミ♂ (ラオス) Cheritra freja evansi
Common Imperial Blue (Laos)
種分布:インド、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、大スンダ列島、バリ

記録:2019/3/5
場所:ナヒン、ラオス (Na Hin, Laos)

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モリノオナガシジミ♂ 表面 (ラオス)

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モリノオナガシジミ♂ 裏面 (ラオス)


♂♀類似斑。♂の後翅表面肛角の白斑は第1a、2室に現われるが、♀では第3室にも現れる。

表示亜種 evansi ♂ (ラオス)
亜種evansiの分布:北東インド、ミャンマー、北タイ、ラオス、ベトナム
他亜種1 freja 分布:ミャンマー半島部、タイ半島部、ランカウイ→♂
他亜種2 pallida 分布:ボルネオ→♂→♀

低地から700m程度の低山地に生息地が多く、村落近辺の樹林地や山地の樹林内で見られる。♂は林縁の突き出た葉の先端でテリを張っていることが多く、飛び去ってもまた同じ場所に戻ってくる。また山地の小川沿いで吸水に来たり、動物性ベイトに誘引されることもある。腐果に誘引された個体は観察していない。
飛翔は速くなく、白っぽく見える。長い尾を引きずるように林縁や樹林内の空間を飛翔する。タイやラオスでは、生息範囲は広く、個体数は少なくない。場所により、ヤマノオナガシジミ(Ticherra acte)と混生するが、ヤマノオナガシジミの方が樹林地側に生息し、個体数は少ない。本種は、この種の尾が長いシジミチョウの中では最も多い。

本亜種evansi の♂前翅裏面の外縁帯は茶褐色で、原名亜種frejaの橙褐色より細く暗い色合いになる。また、外中央の線条は細い暗褐色で、原名亜種より不明瞭になる。後翅裏面の亜外縁線条は、原名亜種では下部の波状部で太く明瞭になるが本亜種では波状部でも細い。全体として、本亜種の翅裏は、原名亜種に比べて灰色味を帯びて暗い色調に見える。