ビロードムラサキタテハ♂ (マレー半島) Terinos terpander robertsia
Royal Assyrian (Malay Peninsula)
種分布:南ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、大スンダ列島

記録:1993/9/28
場所:キャメロンハイランド、マレー半島、マレーシア (Cameron Highlands, Malay Peninsula, Malaysia)

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ビロードムラサキタテハ♂ 表面 (マレー半島)

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ビロードムラサキタテハ♂ 裏面 (マレー半島)


♂♀類似斑。亜種によって大きな変異がみられる。♂は、前後翅の表面にビロード状性斑を現す。

表示亜種 robertsia ♂ (マレー半島)
亜種robertsiaの分布:南ミャンマー、南タイ、マレー半島
他亜種 terpander 分布:ボルネオ→♀

低地から800m程度の低山地に生息地が多く、高標高側では見かけなくなる。村落から森林性よりの種類で、林縁や林道で緩やかに飛翔する姿が見られる。林縁の水辺で吸水する観察例もあるが多くない。動物性ベイトに誘引される。
キャメロンハイランドでは、19マイルのジャングル内や渓流沿いで見られる。飛翔は緩やかで、ブッシュ上で翅をパッパッと開閉して移動するような動きが見られる。飛翔中は褐色に見え、紫色が目立つ。

マレー半島の亜種robertsiaは、ボルネオの原名亜種と大きく異なる。
本亜種の♂翅表の地色は褐色で、前翅は性斑を除き無紋。後翅表面では翅頂部を除き紫部が広がり、外縁に白線条が縁取ると共に第2~4室に白斑が現われてよく目立つ。
翅裏の地色は褐色で、淡白紫色の複雑な線条斑が前後翅を通じ縦に現われる。前翅裏面の翅頂に白色斑があり、後翅外縁には翅表と同じ位置に白斑が現れる。また、後翅裏面の外中央には、褐色斑が各室に配置する。