タイワンスジグロチョウ♂ (タイ) Cepora nerissa dapha
Common Gull (Thailand)
種分布:インド、中国、台湾、ミャンマー、タイ、インドシナ、スマトラ、ジャワ、小スンダ列島

記録:2015/9/22
場所:ムアンガイ、タイ (Mueang Ngai, Thailand)

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タイワンスジグロチョウ♂ 表面 (タイ)

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タイワンスジグロチョウ♂ 裏面 (タイ)


♂♀異斑。♀の前翅表面第1b室、第3室の黒色斑は♂より発達する。雨期型、乾季型で斑紋の変化があり、乾季型は黒色部が退行する。

表示亜種 nerissa ♂ (タイ)
亜種nerissaの分布:ミャンマー、タイ、ラオス→♀
他亜種 dissimilis 分布:バリ→♂

低地から600m程度の低山地に生息を確認している。明るい開けた空間が生息の中心で、村落近辺の2次林周辺や草地を飛翔したり、吸蜜に現われたりする。渓流沿いで見られる個体は少ないが、場所により吸水に現われる個体もある。動物性ベイトに誘引される。
飛翔は速くなく、飛翔中は白っぽく見える。タイやラオスでは所によりウスムラサキシロチョウ(C. nadina)と混生するが、ウスムラサキシロチョウの方が樹林地側で見られる。個体数は、一般に本種タイワンスジグロチョウの方が少ない。
年間の発生時期は未確認であるが、ラオスでは寒季の1月でも発生がみられ、おそらく年間を通じて発生しているものと思われる。

♂の翅表の地色は白色で、前後翅共に外縁に黒帯が縁取る。前翅表面外中央の第3室と第5室に黒斑があり、外縁の黒帯と部分的につながる。前翅前縁には灰黒色帯があり、中室周りを中心に翅脈が黒色になる。後翅表面の黒縁から翅脈に沿い、突起状黒条が内側に延びる。
♂の翅裏の地色は白色で、前翅前縁と後翅基部付近に淡黄色部が薄く広がる。前翅裏面の外中央第3室と第5室に黒斑があり、翅脈は灰黒色を呈す。後翅裏面の翅脈も全体的に灰黒色になり、外中央に淡灰黒色斑が弧状に配列する。