タイリククロシジミ♀ (タイ) Niphanda asialis asialis
White-Banded Pierrot  (Thailand)
種分布:北東インド、ミャンマー、タイ、ラオス、マレー半島、スマトラ、ジャワ

記録:2014/10/8
場所:ムアンガイ、タイ (Mueang Ngai, Thailand)

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タイリククロシジミ♀ 表面 (タイ)

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タイリククロシジミ♀ 裏面 (タイ)


♂♀異斑。♂の翅表は前後翅共に薄紫色。

表示亜種 asialis ♀ (タイ)
亜種asialisの分布:北東インド、ミャンマー、タイ→♂、ラオス、マレー半島、スマトラ

低地から低山地の蝶で、村落付近の2次林や疎林近くの草地などで見られる。
♀も♂と同所的に棲息するが、吸水や動物性ベイトに誘引された例は観察していない。♂に比べて見かける個体数は少なく、採集例は草地で飛翔していた個体と、吸蜜にきた個体の2例のみである。飛翔は♂より緩やかで、翅表の灰白色が垣間見えて♂と別種のように見える。
発生期は不明であるが、インドシナ北部では2月〜3月の乾季に多い。棲息地では♂は稀な種類ではないが♀は少ない。

♀の翅表の地色は灰白色で、前後翅の亜基部~基部に淡青色の鱗粉が散布する。前翅表面の前縁と外縁には太い灰黒帯が縁取り、外中央と中央に灰黒色線条斑が縦に配列する。また前翅中室端に灰黒色斑が配置する。後翅表面亜外縁の各室に灰黒斑が配置し、その内側に灰黒線条が付随する。後翅表面の前縁から中央に灰褐色帯が円弧上に配置し、中室に短灰色状が現れる。
♀の翅裏の地色は灰白色。斑紋構成は翅表と類似するが、翅表に見る淡青色の鱗粉は現れず、前翅では同位置に黒褐色斑が現われる。後翅裏面の前縁には黒斑が明瞭に現われる。