ヤマノオナガシジミ♂ (北タイ) Ticherra acte acte
Blue Imperial (North Thailand)
種分布:シッキム、アッサム、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、ボルネオ、スマトラ

記録:2006/3/30
場所:チェンダオ、タイ (Chaing Dao, Thailand)

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ヤマノオナガシジミ♂ 表面 (北タイ)

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ヤマノオナガシジミ♂ 裏面 (北タイ)


♂♀類似斑。♀の翅表の地色は黒色で、♂に見る外縁の黒い縁取りを欠く。

表示亜種 acte ♂ (北タイ)
亜種acteの分布:シッキム、アッサム、ミャンマー、北タイ→♀、ラオス、ベトナム
他亜種 liviana 分布:タイ半島部、マレー半島→♂、スマトラ

低地から700m程度の低山地に生息地が多く、所により1,200m程度の中山地で生息を確認している。主として自然林の樹林内で見られ、♂は葉先でテリを張っていたり、葉に沿うように飛翔していたりする。樹林内山道の林縁に出る直前の内側で、木漏れ日が射す程度の林内の空間側に出た枝先などが好適地で、飛来してテリを張る個体がよく見られる。渓流沿いでは見られなく、吸水や動物性ベイトに誘引される個体は観察していない。
飛翔は緩やかで、尾状突起を引きずるような飛び方をする。飛翔中は黒っぽく見え、飛び立っても飛翔距離は短いことが多い。モリノオナガシジミ (Cheritra freja)と混生することがあるが、モリノオナガシジミは本種ヤマノオナガシジミより大型で白っぽく見える。個体数はヤマノオナガシジミの方がかなり少ない。

♂の翅表の地色は暗藍色を帯びた黒色で、前後翅共に外縁に一定幅の黒縁がある。前翅は無紋で、後翅の肛角部第1b室と第2室に小白斑があり、同室の外縁に細い白線条が現れる。また、第1脈と第2脈の先に尾状突起があり、第2脈の尾状突起は長い。尾状突起は黄橙色。
♂の翅裏の地色は黄橙色。前翅には亜外縁に小淡黒点が、外中央に淡黒線条が、それぞれ縦に配列し、それ以外は無紋。後翅裏面の肛角部第1b室と第2室に青白燐を伴った黒点があり、裏面でよく目立つ。黒点の上部の第1b室~第2室に黒線状斑があり、その上に不鮮明な白斑を介し、上部に黒線条が不鮮明に現われる。