アウランティアカハリマオセセリ♀ (ボルネオ) Pyroneura aurantiaca aurantiaca
種分布:マレー半島、ボルネオ、スマトラ

記録:2017/9/5
場所:コタキナバル、ボルネオ、マレーシア (Kota Kinabalu, Borneo, Malaysia)

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アウランティアカハリマオセセリ♀ 表面 (ボルネオ)

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アウランティアカハリマオセセリ♀ 裏面 (ボルネオ)


♂♀異斑。♂表面の黄~橙線条は幅が広がる。

表示亜種 aurantiaca ♂ (ボルネオ)
亜種aurantiacaの分布:ボルネオ

ボルネオでは、低地からキナバルの標高1,000m付近の低山地に棲息し、原生林の林縁や林内で見られる。林内の木の葉に静止していたり、♀は吸蜜していたりする。渓流沿いでは見られず、吸水や動物性ベイトに誘引された例は観察していない。
飛翔中の個体は観察していない。目立たない種類で、静止中や吸蜜中を偶然見かけることが多い。静止個体は裏面の銀色斑が見え、ハリマオセセリ属の種と認識できるが、他種と区別は難しい。一般に棲息範囲は限定的で、個体数は多くない。

♀の翅表地色は濃茶褐色で、前翅中央の中室外方に淡黄白斑が斜めに3個配列し、第2室の淡黄白斑が最も大きい。この淡黄白斑列の上方中室中央付近と中室端付近に、それぞれ2個の同色小斑が配置する。また、前翅表面前縁と、後縁基部から斜淡黄白斑列に向けてそれぞれ橙線条が現れる。後翅表面の外縁には橙細帯が縁取り、基部から中央に向けL字状橙線条が配置する。また、後翅第1b室に橙線条が配置する。
♀の翅裏地色は濃茶褐色。斑紋構成は翅表と類似するが、前翅の後縁基部の線条は翅表より太くなり、淡黄白になる。また、前翅亜外縁には橙帯が現われ、翅脈も橙色になり斜淡黄白斑列とつながる。後翅裏面でも翅表に現われる橙線条に加え、各翅脈上に橙線条が現われ、橙線条間に銀色斑が複数配置して華やかな印象を与える。
他のハリマオセセリ属の種と類似する。後翅裏面第1b室の橙線条は、本種アウランティアカハリマオセセリでは第1b室の長さの2/3を超えることで、他の類似種と区別できる。