ヒューイットソンキララシジミ♂ (タイ) Poritia hewitsoni tavoyana
Common Gem (Thailand)
種分布:アッサム、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム、マレー半島

記録:2016/2/4
場所:ムアンガイ、タイ (Mueang Ngai, Thailand)

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ヒューイットソンキララシジミ♂ 表面 (タイ)

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ヒューイットソンキララシジミ♂ 裏面 (タイ)


♂♀異斑。♀の翅表には♂に見る青色斑を欠く。

表示亜種 tavoyana ♂ (タイ)
亜種tavoyanaの分布:ミャンマー、タイ→♀、ラオス、ベトナム

低地から500m程度の低山地に棲息地が多く、村落近辺や耕作地附近の自然林が残っている場所の周辺で見られることが多い。渓流沿いでは見られず、吸水や動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。♂は樹林地などの林縁やブッシュの葉上でテリを張っていたり、静止して陽光に翅を広げていたりする。
飛翔は速く、♂は黒っぽく見える。タイのムアンガイでは、2月乾季の早朝に林縁の葉上で静止している個体を観察している。この時期の早朝は23℃程度の寒く感じる時期で、気温が低くても朝日が当たる場所でこの種を見ると、今回も出てきてくれたと気持ちが暖かくなる。
棲息範囲は広くなく、限定された場所と限定された時間帯でみられることが多い。珍しい種類ではないが、一般にまとまって見られる種類ではない。タイでは乾季の2~3月、11月に発生を観察している。

♂の翅表の地色は黒色で、前翅中室から下部は鮮やかな青色斑が広がる。また、個体により前翅前縁中央に小青点が配置する。後翅表面の前縁は灰色になり、中室下部から外縁まで青色斑が広がる。また、後翅青色斑の亜外縁部に小黒斑が不鮮明に現われる。なお、青色部の発達度合は個体変異が著しい。
♂の翅裏の地色は灰白色。前後翅を通じ、亜外縁に複雑な小斑紋が2列配列し、前翅、後翅共に第2室に黒点を内包する橙斑が現われる。さらに、外中央と中央部に淡茶褐色斑が縦に配置し、中室から基部にも同様な斑紋が複雑に現われる。