ウスコモンマダラ♂ (タイ) Tirumala limniace limniace
Broad Blue Tiger (Thailand)
種分布:インド、スリランカ、南中国、台湾、ミャンマー、タイ、インドシナ、北西ボルネオ、ジャワ、小スンダ列島、スラウェシ、フィリッピン

記録:2015/11/9
場所:ムアンガイ、タイ (Mueang Ngai, Thailand)

190214Eb15SW
ウスコモンマダラ♂ 表面 (タイ)

190214Eb16SW
ウスコモンマダラ♂ 裏面 (タイ)


♂♀類似斑。♂には、後翅裏面第1b室中央に扁平な袋状の突起物の性標がある。

表示亜種 limniace ♂ (タイ)
亜種limniaceの分布:インド、スリランカ、南中国、台湾、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム

低地から1,000m程度の低山地に棲息地が多く、標高が高くなると見られなくなる。村落近辺の2次林や樹林地近辺の草地で飛翔していたり、吸蜜していたりする。渓流沿いでは観察していないが、留水で吸水する個体を観察している。
飛翔は速くなく、黒に淡青白斑が目立つ。コモンマダラと混棲することが多く、生態も類似する。個体数は本種の方が少ない。年間の発生時期は未確認であるが、タイ、ラオスでは雨期、乾季共に発生を確認しているので、殆ど通年にわたり発生するものと思われる。

翅表の地色は黒色で、前後翅に淡青白斑と線条が多数配置する。斑紋構成はコモンマダラ型であるが、斑紋の色はコモンマダラの方が白色味が強い。
翅裏の地色は灰黒褐色で、前翅中央部から下部は黒色味が強い。翅裏の斑紋は翅表と殆ど同様である。
コモンマダラと最も類似し、斑紋構成は同様である。区別点はコモンマダラの項を参照。タイやラオスと台湾産は同一亜種とされるが、タイやラオスの個体は、前後翅共に中央から基部側の斑紋が台湾産より太い/大きい傾向があり、一見してこの部分の淡青白色が目立つ。同じ地域のコモンマダラはこの傾向がないので、種の区別に有効である。