レピデアヒメイナズマ♂ (中・南ラオス) Cynitia lepidea cognata
Gray Count (Laos)
種分布:南中国、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、スマトラ

記録:2019/5/27
場所:ノーンペット、ラオス (Nongpet, Laos)

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レピデアヒメイナズマ♂ 表面 (中・南ラオス)

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レピデアヒメイナズマ♂ 裏面 (中・南ラオス)


♂♀異型、異斑。♀は大型で、前翅裏面中央に淡橙色帯が現れる。ハイイロヒメイナズマともよばれる。

表示亜種 cognata ♂ (中・南ラオス)
亜種cognataの分布:東・南タイ、中・南ラオス→♀、南ベトナム、カンボジア

低地から700m程度の低山地に生息地が多く、所により1,000m前後の中山地でも見られる。疎林地の林縁でテリを張っていたり、地面に静止していたりする。腐果に誘引された個体を観察している。渓流沿いでは見られず、吸水や動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。
滑空するように飛翔し、速くない。飛び出しても近くに静止することが多い。飛翔中は灰色帯を含み褐色に見える。カギバヒメイナズマ(C. cocytus)と混棲する。本種は林縁で見られることが多いが、カギバヒメイナズマは樹林内にいることが多い。個体数は本種の方が多い。

♂の翅表の地色は黒褐色。前翅翅頂部外縁には小突起があり、小突起下部外縁から後翅後縁にかけ灰白色帯が現われる。後翅後縁の灰白色帯は太くなる。♂の後翅前縁中央から基部にかけて黒色斑がある。
♂の前翅裏面の地色は茶褐色で、外縁に細灰帯が縁取る。前翅裏面の外中央と中央に黒褐色の線条が縦に配置し、前縁で中央の線条は内側に傾いて線条間は暗橙色を帯びる。後翅裏面の地色は灰褐色で、外縁に灰色帯が縁取る。外中央と中央に不鮮明な褐色線条が円弧状に配置する。
♂はカギバヒメイナズマと類似する。♂の前翅表面の灰白色帯は本種レピデアヒメイナズマでは翅頂部の小突起の直下から現れるが、カギバヒメイナズマではさらに下から出現する。前翅裏面の外縁は、本種レピデアヒメイナズマでは灰白色帯になるが、カギバヒメイナズマでは灰白色帯を欠き、翅頂部は黒色になる。