クロウレイアサギマダラ♂ (北ボルネオ) Parantica crowleyi crowleyi
Kinabalu Tiger (Borneo)
種分布:北ボルネオの特産種

記録:2019/3/11
場所:クンダサン、ボルネオ、マレーシア (Kundasang, Borneo, Malaysia)

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クロウレイアサギマダラ♂ 表面 (北ボルネオ)

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クロウレイアサギマダラ♂ 裏面 (北ボルネオ)


♂♀類似斑。大型種。♂は後翅第1b室~第2室に性斑を有する。♀は♂より大型で翅型は丸味を帯びる。

表示亜種 crowleyi ♂ (北ボルネオ)
亜種crowleyiの分布:北ボルネオ→♀

サバ、サラワクの山地帯に分布する。サバではキナバル山麓の1,600m付近で生息を確認している。観察個体は、渓流沿いの自然林付近を飛翔していた。吸水個体や動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。
飛翔はアサギマダラより速く、飛翔中は灰白色に見える。鬱蒼とした林縁の樹冠近くを滑空するように飛翔し、時折数m程度の高さまで下りてきた。採集機会はこのようなときであるが、タイミングが合うときは極めて少ない。朝の谷間に陽が射す9:30頃から飛翔が見られた。散発的で、同時に複数個体を見ることは少なかった。
生息地は極地的で、個体数は少ない。

翅表の地色は黒色で、青白色の斑紋はリュウキュウアサギマダラ型。前翅第1b室基部からの青白斑は、上下に2分割される。翅裏の地色は黒色で、青白色の斑紋構成は翅表と殆ど同様である。
ルソンマダラと類似する。主な差異は、本種の方が大型で、前翅第1b室亜外縁の青白斑は2分割される。前翅第5室の長形青白斑は全長にわたりほぼ同一幅になる。♂の後翅性斑は第1b室、第2脈を中心とし、翅表で灰黒色、翅裏で濃黒色で両脈に白燐が現われる。