タイワンホシミスジ♂ (北ラオス) Limenitis sulpitia sulpitia
Spotted Sergeant (Laos)
種分布:北東インド、南中国、台湾、ミャンマー、北ラオス、北ベトナム

記録:2018/3/26
場所:ムアンカム、ラオス (Muang Kham, Laos)

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タイワンホシミスジ♂ 表面 (北ラオス)

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タイワンホシミスジ♂ 裏面 (北ラオス)


♂♀類似斑。♀は大型で、翅形は丸味を帯びる。

表示亜種 sulpitia ♂ (北ラオス)
亜種sulpitiaの分布:北ラオス、北ベトナム
他亜種 tricula 分布:台湾→♂

低地から1,000m以下の低山地で生息を確認している。主に自然林で見られ、林縁を飛翔したり、地表付近で静止したりする。渓流沿いや吸水にくる個体は観察していない。動物性ベイトに誘引された個体も観察していない。
外観は東南アジアで広く見られるシロミスジ属(Athyma)に類似するが、本種は別のオオイチモンジ属(Limenitis)の種で、生態はシロミスジ属と異なる。シロミスジ属の種は林縁のやや高所でテリを張っていることが多いが、本種は林縁から飛んできて地表の突起部など定位置で静止することが多い。日本のオオイチモンジが吸水等地表で静止するイメージに近い。本種は敏感で近づくと飛び立つが、少し後に同位置に戻ってくることが多い。
飛翔は迅速で、飛翔中は黒褐色に見える。上記のように、生息地の生態でシロミスジ属の種と区別できることがある。
東南アジアでは、タイで記録がないなど分布は狭い。ラオスでは生息地は限定され、個体数は少ない。

翅表の地色は黒褐色で、ミスジ型の白斑が配置する。中室の白線条は先端で短線条が分離する。後翅表面の外中央斑列の各白斑は、上部に半黒点が付随するように凹む。また、外中央斑列の上方に黒斑が不鮮明に配列する。
翅裏の地色は茶褐色で、前翅第1、2室は黒褐色になる。翅裏の斑紋は、翅表と同様で白斑がミスジ型に配列する。後翅裏面基部は淡橙色になり、黒点が複数配置する。後翅外中央斑列の各白斑上部の黒点は翅表より明瞭になり、上部の黒斑列もより明瞭になる。