タイワンビロードセセリ♂ (台湾) Hasora taminatus vairacana
White-Banded Awl (Taiwan)
種分布:北東インド、南中国、台湾、八重山諸島、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、スンダ列島、スラウェシ、フィリッピン

記録:2019/7/9
場所:埔里、台湾 (Puli, Taiwan)

211206Eb09SW
タイワンビロードセセリ♂ 表面 (台湾)

211206Eb10SW
タイワンビロードセセリ♂ 裏面 (台湾)


♂♀異斑。中型~大型種。日本の八重山諸島にも棲息する種類であるが、台湾の個体とは同亜種とされる。

表示亜種 vairacana ♂ (台湾)
亜種vairacanaの分布:台湾→♀、八重山諸島

低山地から1,100m程度の中山地に棲息地が多く、主に樹林地で見られる。山道の木の葉や草本に静止していたり、吸蜜していたりする。渓流沿いではあまり見られないが、♂は山道の留水で吸水にくる。また動物性ベイトに誘引される。
飛翔は速く、黒っぽく見える。吸蜜等静止している場合は敏感ではないので、採集は容易である。
台湾では棲息範囲は広く、個体数は多い。ビロードセセリ属の中では最も多く見られる。インドシナでは多く見られる種類ではない。年間の発生時期は未確認であるが、台湾では5月ごろから発生が見られる。

♂の翅表の地色は黒褐色。前後翅共に無紋であるが、前翅中央は黒色味が強くなる。前翅基部と後翅中央から基部にかけて、褐色の毛束が密生する。
♂の翅裏の地色は黒褐色で、前翅はほぼ無紋。後翅裏面の中央部には、灰白色の線条が縦に配置し肛角部に至る。通常灰白色線条は、上部程不鮮明になる。
オキナワビロードセセリ(H. chromus)に類似する。本種タイワンビロードセセリは、オキナワビロードセセリに比べ、一般にやや小形である。翅形は丸味が強く前翅の尖りは弱く、後翅肛角部はオキナワビロードセセリのように強く突出しない。♀では前翅第2室の黄白紋は台形または楕円形であるが、オキナワビロードセセリでは三日月形になる。