タイワンミスジ♂ (台湾) Neptis nata lutatia
Sullied Brown Sailor (Taiwan)
種分布:インド、ミャンマー、タイ、ラオス、台湾、マレー半島、スンダ列島

記録:2017/5/23
場所:埔里、台湾 (Puli, Taiwan)

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タイワンミスジ♂ 表面 (台湾)

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タイワンミスジ♂ 裏面 (台湾)


♂♀類似斑。♀はやや大型で、翅型が丸味を帯びる。

表示亜種 lutatia ♂ (台湾)
亜種lutatiaの分布:台湾→♀
他亜種1 nata 分布:ボルネオ→♂
他亜種2 adipalaの分布:東ヒマラヤ、南中国、ミャンマー、タイ、ラオス→♂、ベトナム

低地から1,000m以下の低山地に生息地が多く、1,200m程度の中山地まで生息を確認している。樹林地の林縁を飛翔したり、テリを張っていたりする。渓流沿いでは少ないが、山道の湿った地面で吸湿する個体はよく見かける。吸水も観察している。また、山道際に散布した動物性ベイトに誘引された個体を観察している。
飛翔は緩やかで、樹木近辺を離れず飛翔していることが多い。台湾では、中央部の低山地でコミスジやスズキミスジと混生する。生息環境も類似し、ほぼ同様の生態を示す。個体数は、どの種類も同様で少なくない。

翅表の地色は黒褐色。斑紋は一般的なミスジ型であるが、一般に翅表の白帯は細く、白斑の出現は弱い。
前翅裏面中室白条先端の3角斑は、先端が細く長く伸びる。後翅裏面基部前縁の白条と亜基部白条は、共に明瞭に現われる。
台湾亜種lutatiaでは、他の台湾産小型ミスジチョウ4種と類似する。本亜種の翅形はやや幅広く丸みを帯び、翅表の白帯は細く、白斑は小さく、この点で台湾産の他の小型ミスジチョウと区別できることが多い。ただし、白帯の幅と白斑の大きさは変異が大きい。前翅表面の中央斑列中の第3室の白斑は他の白斑に比べ特に小型である。
翅裏の地色はコミスジ、スズキミスジよりさらに濃いチョコレート褐色であるが、変異の幅は広い。後翅裏面の中央白帯と外側白帯の両端の幅の差は、スズキミスジよりさらに少なく、ほとんど等幅に近くなる。