クルークルリマダラ♂ (ラオス) Euploea klugii erichsonii
Brown King Crow (Laos)
種分布:北東インド、南中国、ミャンマー、タイ、インドシナ、ランカウイ、マレー半島

記録:2017/5/11
場所:バンビエン、ラオス (Vang Vieng, Laos)

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クルークルリマダラ♂ 表面 (ラオス)

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クルークルリマダラ♂ 裏面 (ラオス)


♂♀異型・異斑。♂の後翅後縁は湾曲するが、♀では直線状。♀の前翅表面中室端から翅頂にかけて淡白斑が現われる。

表示亜種 erichsonii ♂ (ラオス)
亜種erichsoniiの分布:北東インド、南中国、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム、ランカウイ、マレー半島

低地から標高500m程度の低山地に棲息地が多く、標高が高くなると見かけなくなる。村落近辺の開けた環境が主な棲息圏で、樹林地では少ない。開かれた平地の疎らな樹木付近を飛翔したり、吸蜜に現われたりする。渓流沿いでは見かけず、吸水個体は少なく、動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。
飛翔は緩やかで、飛翔中は青褐色に見える。他のルリマダラ類と区別は難しいが、本種は褐色味が強く、ガランピルリマダラのように見える。個体数は少なくないが、棲息範囲が村落近辺中心で樹林地と明確に分かれることが多いため、樹林地中心の調査では採集品の中に少ないことになる。

♂の翅表の地色は黒褐色で、前後翅共に中央部が濃色になる。前翅外縁では小白斑が各室に2個配置し、亜翅頂部に灰白斑が配置する。また前翅中央、第1a室と第2室に淡褐色斑が不鮮明に現われる。♂の後翅表面前縁には大きな淡褐色の性標があり、よく目立つ。また後翅表面外縁の各室に小白斑が各室に2個配置し、その内側に小白斑が後翅前縁から円弧状に配列する。
♂の翅裏の地色は黒褐色で、前翅後縁は淡灰褐色になる。翅裏の斑紋構成は翅表と殆ど同様であるが、前翅中央前縁に小灰斑が現われる。また、前翅裏面中央第2室の斑紋は大きく灰色になり、翅表より目立つことが多い。
ルリマダラと類似する。ルリマダラの前翅表面には細長い性標が2本あり、前翅裏面中室端付近に白斑が3個現れる。また、ルリマダラの後翅裏面中室付近には小白点が複数現れるが、本種ではこれを欠く。