ヒイロシマタテハ♀ (ボルネオ) Pandita sinope sinope
Colonel (Borneo)
種分布:タイ半島部、マレー半島、大スンダ列島、パラワン

記録:2019/7/25
場所:コタキナバル、ボルネオ、マレーシア (Kota Kinabalu, Borneo, Malaysia)

210429Eb11SW
ヒイロシマタテハ♀ 表面 (ボルネオ)

210429Eb12SW
ヒイロシマタテハ♀ 裏面 (ボルネオ)


♂♀類似斑。♀は♂より大型・横長で翅形が丸みを帯びる。

表示亜種 sinope ♀ (ボルネオ)
亜種sinopeの分布:タイ半島部、マレー半島、ボルネオ、スマトラ、ジャワ

ボルネオのサバでは標高500m以下の低地で棲息を確認している。主に樹林地で見られ、明るい林道を飛翔したり、吸蜜に現われたりする。渓流沿いの個体や、吸水個体は観察していない。動物性ベイトに誘引された個体も観察していない。
飛翔は速くないが、遅くもない。一見ドクチョウ類を思わせる配色で、飛翔中は橙色が目立つ。ハレギチョウ類に擬態しているのかもしれない。
林縁でネッタイオオミスジなどシロミスジ属(Athyma)の種類と混棲する。シロミスジ属の種類は見上げる程度の高さの枝先でテリを張ることが多いが、本種はより低い位置にいることが多い。
棲息地はやや限定的で、個体数は多くない。年間の発生時期は未確認であるが、サバでは3月と7月に発生を確認している。

翅表の地色は褐色。前後翅を通じ外縁に2本の橙線条が配置し、外中央と中央に橙帯がそれぞれ配置する。また、前後翅の基半部に、褐色線で縁取られた橙斑が現われる。
翅裏の地色は褐色で、翅表よりやや淡色になる。また後翅裏面の内縁付近は淡青未を帯びる。斑紋構成は翅表と殆ど同様であるが、橙線条と橙帯は翅表より太くなり、色調は淡色になる。