アオトラスソビキシジミ♂ (北ボルネオ) Jacoona anasuja jusana
Great Imperial (Borneo)
種分布:南ミャンマー、タイ、ラオス、マレー半島、ボルネオ、スマトラ

記録:2020/3/8
場所:ラナウ、ボルネオ、マレーシア (Ranau, Borneo, Malaysia)

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アオトラスソビキシジミ♂ 表面 (北ボルネオ)

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アオトラスソビキシジミ♂ 裏面 (北ボルネオ)


大型種。♂♀異斑。♀は、♂に見る翅表の青色斑を欠く。

表示亜種 jusana ♂ (北ボルネオ)
亜種jusanaの分布:北ボルネオ→♀

ボルネオのサバでは、低地から標高900m程度の低山地で生息を確認している。主に原生林に生息し、林縁の樹木際を飛翔したり、葉に静止していたりする。渓流沿いの個体や吸水個体は観察していない。動物性ベイトに誘引された個体も観察していない。 飛翔は樹木上方を枝から枝へと渡るように飛翔し、♂の飛翔中は黒っぽく見える。生息地はルリオビアゲハやヘレナキシタアゲハが飛翔する林縁で、同程度の高さにいることが多い。ただ、本種は樹木から離れない個体がほとんどである。
生息地は限定的で、個体数は少なく、特に♂は少ない。年間の発生時期は未確認であるが、サバでは2~3月に見られた。

♂の翅表の地色は黒色。前翅表面の亜翅頂部に青色線条が円弧状に現われ、中央から後縁まで青色部が占める。後翅表面では前縁を除き青色部が後翅半分程を占め、内縁は灰色になる。後翅肛角部は白色になり、中に黒斑が配置する。また、第1脈と第3脈の先に尾状突起が現われ、第1脈の尾状突起は長く直線状である。
♂の翅裏の地色は黄土色で、後翅下方部は灰色になる。後翅肛角部では、白色部に波状黒線条が配置し、その下部に黒色斑が配置する。
類似する他種とは、本種の♂♀共に前翅裏面12脈基部が短く黒色に染まることで区別できる。