ヤリサスフタオチョウ♂ (ラオス) Polyura jalysus ephebus
Indian Yellow Nawab (Laos)
種分布:ミャンマー、インドシナ、マレー半島、ボルネオ、スマトラ

記録:2017/3/13
場所:バンビエン、ラオス (Vang Vieng, Laos)

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ヤリサスフタオチョウ♂ 表面 (ラオス)

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ヤリサスフタオチョウ♂ 裏面 (ラオス)


♂♀類似斑。♀はやや大型で翅形が横長になる。斑紋の差異は小さく斑紋から区別は困難。

表示亜種 ephebus ♂ (ラオス)
亜種ephebusの分布:ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム

低地から標高600m程度の低山地に棲息地が多く、標高が高くなると見かけなくなる。村落付近の2次林や里山で見られ、自然林環境では少ない。林縁を飛翔したり、吸水に現れたりする。動物性ベイトに強く誘引される。
飛翔は速く、水色~白色に見える。タイやラオスではアタマスフタオチョウやアルジャフタオチョウと混棲し、同所的に吸汁に集まる。斑紋は類似するが、本種はやや大型で翅中央の淡水色は幅広いことから区別できることが多い。個体数は本種の方が少ない。
棲息環境は限定的ではなく、個体数は少なくない。年間の発生時期は未確認であるが、ラオスでは寒期の1月でも見られたので、おそらく年間を通じて発生しているものと思われる。

翅表の地色は淡水色。前翅の前縁から翅頂、外縁と黒色帯が幅広く縁取る。黒帯内の亜翅頂部に淡水色班が現れる。後翅表面外縁には黒帯が縁取り、黒帯内の外縁各室に橙班が配置する。また、橙班の内側に淡水色班が伴う。
翅裏の地色は翅表と同様に淡水色。斑紋構成は翅表と類似するが、前翅周囲の縁取りは灰白色になり、外縁では黒褐色になる。また、前翅亜翅頂部の淡水色斑下部から基部側に黒褐色線条が現れ、後翅基部から肛角、外縁と内部の水色部を取り囲むように配置する。後翅裏面外縁の橙班はほぼ連続し、内側に灰白帯が接する。