ウラナミジャノメ♂ (台湾) Ypthima multistriata multistriata
Striated Ringlet (Taiwan)
種分布:東中国、朝鮮半島、台湾、日本

記録:2019/7/8
場所:霧社、台湾 (Wushe, Taiwan)

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 ウラナミジャノメ♂ 表面 (台湾)

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 ウラナミジャノメ♂ 裏面 (台湾)


日本にも産するウラナミジャノメであるが、台湾産はタイワンウラナミジャノメともよばれる。台湾産は日本産と別亜種に属する。
♂♀類似斑。♀の前翅表面では翅頂付近に大きな眼状紋が現れる。

表示亜種 multistriata ♂ (台湾)
亜種multistriataの分布:台湾→♀

台湾では、低地から標高1,000m程度の低~中山地に生息地が多く、樹林地周辺の草地を飛翔したり、静止していたりする。吸蜜にくるものも見られるが、渓流沿いで吸水にくる個体は観察していない。動物性ベイトにも誘引されない。
草地の草本間を飛翔するなど、生態は日本のウラナミジャノメと大きな相違はない。台湾の埔里近郊では、コウラナミジャノメやオオウラナミジャノメと混生する。生態は互いに類似し、生態から区別することは難しい。台湾では、本種の個体数は一般に少なくない。

♂の翅表地色は褐色で、前翅中央は濃褐色になる。通常、♂の前翅表面の翅頂部付近に眼状紋は現れない。個体により翅裏の眼状紋が透けるように現れるが、出現には強弱がある。後翅表面では第2室の亜外縁に眼状紋が現われ、後翅前縁付近に翅裏の眼状紋が透けるように現れる。
♂の翅裏地色は褐色で、灰色の細い網目模様が全体に現われる。前翅裏面の翅頂部付近に大きな眼状紋が配置する。後翅裏面には第1b室、第2室、第6室に眼状紋が計3個現われ、第6室の眼状紋は第2室ものより大型である。