クジャクアゲハ♂ (台湾) Papilio bianor thrasymedes
Common Peacock (Taiwan)
種分布:中国、朝鮮半島、台湾、八重山諸島、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム

記録:2011/7/9
場所:宝来、台湾 (Baolai, Taiwan)

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クジャクアゲハ♂ 表面 (台湾)

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クジャクアゲハ♂ 裏面 (台湾)


♂♀類似斑。♂の前翅表面には黒色ビロード状の性標がある。ヤエヤマカラスアゲハともよばれる。

表示亜種 thrasymedes ♂ (台湾)
亜種thrasymedesの分布:台湾
他亜種 triumphator 分布:北東タイ、北・中ラオス→♂、中ベトナム

台湾中央部では、低地から標高1,000m程度の低山地に生息地が多く、高標高側ではホッポアゲハに替わる印象がある。本種は山地の渓流沿いを飛翔する個体が多く、山道の留水を求めて飛翔したり、吸水に集まったりする。動物性ベイトに誘引される。
タイワンカラスアゲハタイワンルリモンアゲハワタナベアゲハなど黒系のアゲハと混生し、同所的に吸水する。所により多数の吸水集団をつくる。個体数は本種とタイワンカラスアゲハが少なく、本種はタイワンカラスアゲハよりやや多い印象がある。

台湾亜種♂の前翅表面は、北東タイ、北・中ラオスの亜種triumphatorと比べ殆ど同じであるが、後翅表面は若干の差異が見られる。すなわち、後翅第6、7室の青色斑は、亜種triumphatorでは外縁側で濃色になり、かつ下方の青緑色鱗粉との境界が明瞭であるが、台湾亜種では青緑色鱗粉との境界が不明瞭になる。このため、青色斑が亜種triumphatorより目立たちにくくなる。また、台湾亜種の後翅外縁の弦月紋は、赤色が少なくなる。
台湾亜種♂の翅裏は、亜種triumphatorと殆ど同様である。