イダミスジ♀ (スラウェシ) Neptis ida sphaerica
種分布:スラウェシとその属島の特産種
種分布:スラウェシとその属島の特産種
場所:バンティムルン、スラウェシ、インドネシア (Bantimurung, Sulawesi, Indonesia)
表示亜種 sphaerica ♀ (南スラウェシ)
亜種sphaericaの分布:中央・南スラウェシ
標高1,000m以下の低山地に生息地が多く、村落近辺の2次林や樹林地の林縁などで飛翔したり、木の葉上に静止していたりする。渓流沿いでは吸水個体は観察していないが、地面で吸湿している個体を観察している。動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。
飛翔は緩やかで滑空型である。飛翔等生態はコミスジを思い出させる。バンチムルンでは草地でヘレナキシタアゲハが飛翔し、草地端の樹林付近で本種が静止している情景が見られる。本種の生息範囲は限定的でなく、個体数は多い。
羽表の地色は黒色で、白色斑が並ぶミスジ型。亜種によっては白斑に黒燐が散布され、ミスジ斑が不鮮明になる。本亜種sphaericaのミスジ斑は黒色鱗粉の散布が少なく、比較的明瞭に現われる。前翅表面中室の線条と先端の3角斑は分離する。前翅表面亜外縁に小白点が配列し、その内側のミスジ斑近くにも小白点列が現われ、全体に混雑した白斑に見える。
翅裏の地色は橙色味を帯びる茶褐色。斑紋構成は翅表と同様であるが、白斑は全体に明瞭に現われる。後翅裏面の前縁線条と亜基条は白色で、細く現れる。
リュウキュウミスジと類似する。スラウェシではリュウキュウミスジは生息しないので、現地で混同することはない。また、スラウェシのNeptis属の種類は他にクロミスジ型のNeptis celebicaのみであり、斑紋は全く異なる。また、celebicaは大珍品であるため、スラウェシのNeptisであれば本種とみてほぼ間違いない。斑紋上でリュウキュウミスジとの差異は、本種の前翅表面ミスジ斑近くの小白点列は、リュウキュウミスジでは現れないか、現われても不鮮明である。
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