ディノンマルバコジャノメ♂ (スラウェシ南部) Lohora dinon dinon
種分布:スラウェシ南部の特産種

記録:2018/2/19
場所:バンティムルン、スラウェシ、インドネシア (Bantimurung, Sulawesi, Indonesia)

220618Eb05SW
ディノンマルバコジャノメ♂ 表面 (スラウェシ南部)

220618Eb06SW
ディノンマルバコジャノメ♂ 裏面 (スラウェシ南部)


♂♀類似斑。♀は♂より大型で、翅型は丸味を帯びる。

表示亜種 dinon ♂ (スラウェシ南部)
亜種dinonの分布:スラウェシ南部

低地に生息地が多く、平地から山地に広く分布する。バンチムルン公園近辺でも見られる。村落近辺の樹林地内で薄暗い林縁を飛翔していたり、静止していたりする。吸水個体や動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。
低位置を緩やかに飛翔することが多く、飛翔中は橙褐色に見える。同じく樹林内の地表付近にいるアエテスオオイナズマと混生することが多い。アエテスオオイナズマは地表付近を滑空するように飛翔するが、本種は少し上の位置でブッシュ内を飛翔し、飛距離は短かい印象がある。
生息地は限定的でなく、個体数は少なくない。バンチムルン近辺では、2月、6月に飛翔が見られた。

翅表の地色は淡褐色でやや橙色味を帯びる。前翅翅頂を中心に黒褐色部が現われ、前翅中央部に明橙色の斜帯がある。前翅第2室と第5室に眼状紋があり、第5室の眼状紋は黒褐色部にあり不鮮明である。後翅表面の第2、3、7室に眼状紋が不鮮明に現われ、第2室の眼状紋は小さい。
翅裏の地色は淡茶白色で、翅表と同様な位置に眼状紋が現われる。眼状紋の周囲は橙色に縁取られた淡黄色部が囲み、眼状紋が明瞭に際立つ。また、前後翅共に外縁に褐色線条が2本配置する。
他のマルバコジャノメ属の種類と類似するが、本種の前翅中央には明橙色の斜帯があり、前翅第2室の眼状紋は明瞭な白点を欠くことが区別点になる。