シロオビワモン♂ (マレー半島) Thauria aliris pseudaliris
Tufted Jungleking (Malay Peninsula)
種分布:タイ、ラオス、マレー半島、ボルネオ

記録:1989/11/28
場所:キャメロンハイランド、マレー半島、マレーシア (Cameron Highlands, Malay Peninsula, Malaysia)

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シロオビワモン♂ 表面 (マレー半島)

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シロオビワモン♂ 裏面 (マレー半島)


♂♀類似斑。♀は大型で翅型は横長になる。♂は後翅表の中室および第5〜7室にかけて大きな性標が発達し、第6室から第1b室にかけて長毛がある。

表示亜種 pseudaliris ♂ (マレー半島)
亜種pseudalirisの分布:タイ半島部、マレー半島
他亜種 aliris 分布:ボルネオ→♂

低地から700m程度の低山地に生息地が多く、主に樹林地で見られる。自然林の林縁を飛翔したり、薄暗い樹林の林床に静止していたりする。渓流沿いで吸水個体は観察していないが、林床で吸湿していたり、腐果に誘引されたりする。動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。
飛翔は速く、飛翔中は茶褐色に白帯が目立つ。大型種なので、飛翔中は迫力がある。他の樹林性のワモンチョウと混生し、タイ北部ではルリモンワモンチョウと、キャメロンハイランドでは ムラサキトガリバワモンチョウと混飛していた。
生息地は限定的で、個体数は多くない。

前翅地色は黒褐色で、基部側は茶色味を帯びる。また、前翅中央に太い白色斜帯があり、翅頂に不鮮明な白斑が2個配置する。本亜種の白色斜帯は、北タイの亜種intermediaより細くなる。♂の後翅表面の前縁基部側に黒褐色の大きな性斑があり、そこから外縁中央に向かい黒褐色部が広がる。また性斑から内縁側に黒褐色部が広がるが、亜種により濃淡の差が大きい。黒褐色部以外は濃橙色。
前翅裏面には表面と同様に太い白色斜帯があり、白色斜帯の外中央付近から前縁亜翅頂まで黒褐色線条が配置し、内側は灰褐色味を帯びる。前翅基部から後翅中央~基部にかけて灰色帯があり、その中に濃茶色斑が散在する。後翅裏面の外中央から外縁にかけて茶橙になり、その内側第2、6室に眼状紋がある。
オオシロオビワモンに類似する。オオシロオビワモンの♂は後翅の性斑を欠く。