コケムシイナズマ♀ (タイ) Euthalia anosia anosia
Gray Baron (Thailand)
種分布:シッキム、アッサム、南中国、タイ、インドシナ、マレー半島、大スンダ列島

記録:2013/9/6
場所:ムアンガイ、タイ (Mueang Ngai, Thailand)

160630E017SW
コケムシイナズマ♀ 表面 (タイ)

160630E018SW
コケムシイナズマ♀ 裏面 (タイ)


♂♀類似斑。♀は前翅表面中室端に白斑を現わすが、♂はこれを欠く。

表示亜種 anosia ♀ (タイ)
亜種anosiaの分布:北インド、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム

低地性の種で、タイやラオスでは標高200~400m程度の低山地で生息を確認している。村落地区の2次林や明るく開けた林道を飛翔したり、地表に静止したりする。沢沿いを飛翔して吸水に現われる個体も観察している。
飛翔は速く、地表付近の低位置を飛翔することが多い。飛翔中は灰褐色に見える。所によりミドリイナズマと混生するが、本種は飛翔中でも緑色が加わるので違和感を持つ。個体数は少ないので、候補種の中から本種と認識するのに時間がかかる。棲息地は限定的で、見かける機会は少ない。北タイではまだ見かける方であるが、他では個体数が少ない。

前翅翅頂部は突出する。
翅表の地色は淡灰褐色~灰緑色で、和名のコケムシは色調をよく現わしている。♀は前翅表面中室端に白斑を現わす。白斑の内側基部までの地色は濃色になり、中室内に濃線条で縁取られた斑紋が配置する。白斑の外側は灰白色味を帯びる。後翅表面の内中央に灰緑色斑が円弧状に現われ、その内側の地色は淡色になり、濃線条で縁取られた斑紋が配置する。
翅裏の地色は翅表と同様であるが、全体に淡色になる。翅裏の斑紋構成は翅表と殆ど同様であるが、地色が淡色であるため、斑紋はより目立つ。