ミネルバヒカゲ♂ (タイ) Lethe minerva tritogencia
Banded Red Forester (Thailand)
種分布:シッキム、南中国、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、大スンダ列島、バリ島

記録:2013/11/5
場所:ムアンガイ、タイ (Mueang Ngai, Thailand)

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ミネルバヒカゲ♂ 表面 (タイ)

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ミネルバヒカゲ♂ 裏面 (タイ)


♂♀異斑。♀は前翅中央に白斑を現わすが、♂はこれを欠く。

表示亜種 tritogencia ♂ (タイ)
亜種tritogenciaの分布:シッキム、南中国、ミャンマー、タイ、インドシナ

タイ北部では、低地の村落近辺の2次林や竹林で生息を確認している。林縁の葉上に静止していたり、飛翔していたりする。下方の薄暗い箇所にいることが多い。吸水個体や動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。
飛翔は速くなく、♂の飛翔中は赤味を帯びた茶褐色に見える。ブッシュ内の小枝に静止していることもあり、このような場合は見つけにくい。所によりメカラヒカゲと混生する。同じような場所で見られるが、飛翔中は本種の方が赤味が強く見える。個体数は本種の方が少ない。
生息地は限定的で、個体数は多くない。タイ北部では見かけるが、他の地域では見ていない。年間の発生時期は未確認であるが、タイ北部では9~11月に観察している。同じ乾季でも2~4月の暑期には見ていないので、気温が低くなると出てくる種類かもしれない。

♂の翅表の地色は黒褐色。前翅後縁中央に黒斑が現われ、その中央は褐色になる。これ以外前翅表面は無紋。また、前翅基部側に褐色の長毛を現わす。後翅表面中室端から外側には暗赤色斑が配置し、その中に黒褐色斑が配列する。第2室内側の黒褐色斑上には褐色の毛束がある。また、後翅基部から中央にかけて褐色の長毛を現わす。
♂の翅裏の地色は灰褐色。前後翅を通じ中央に2本の褐色線条が配置し、内側の線条は直線状で外側に灰白帯が接する。外側の線条は前翅では不明瞭で後翅では明瞭であり、いずれも湾曲する。前翅外中央には不明瞭な灰色眼状紋が縦に配列し、後翅外中央には大きな黄褐色眼状紋が弧状に配列し、灰白線条が両側に付随する。