サビモンキシタアゲハ♀ (スラウェシ) Troides hypolitus cellularis AppendixIIアイコン
Rippon’s Birdwing (Sulawesi)
種分布:スラウェシ、セラム、アンボン、スラ、北モロッカ

記録:2016/8/28
場所:バンティムルン、スラウェシ、インドネシア (Bantimurung, Sulawesi, Indonesia)

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サビモンキシタアゲハ♀ 表面 (スラウェシ)

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サビモンキシタアゲハ♀ 裏面 (スラウェシ)


♂♀類似斑。♀は大型になり後翅外中央に黒斑列を現わすが、♂ではこれを欠く。

表示亜種 cellularis ♀ (スラウェシ)
亜種cellularisの分布:スラウェシ

低地から低山地に生息地が多く、村落近辺から山地の樹林地で見られる。林縁を飛翔したり、吸蜜に現われたりする。吸水個体や動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。
飛翔は緩やかで、青空をバックに大きな黄色部を誇示するように飛翔する姿は圧巻である。
スラウェシでは、低山地で本種とヘレナキシタアゲハ、ハリフロンキシタアゲハの3種が混生するが、その中ではハリフロンキシタアゲハが最も多い。ヘレナキシタアゲハは他産地ほど多くなく、サビモンキシタアゲハが最も少ないが、3種類共に村落の人家付近でも見られる。本種は外観の特異性に反し決して少ない種類ではない。ただ、バンチムルンでの観察では発生時期にむらがあるようで、ヘレナキシタアゲハ、ハリフロンキシタアゲハが見られたときでも本種はまったく見られない時期があった。
本種は他の2種より大型で、斑紋から飛翔中でも区別できる。

大型種。特に♀は大型になる。キシタアゲハ属の中では特異な斑紋の種類で、他種との区別は容易。
♀の前翅表面の地色は黒褐色で、翅脈の両側は灰白色線で縁取られる。これ以外前翅は無紋。後翅表面の亜外縁第4~7室に黄斑が配置し、第7室の黄斑を除き黄斑内に黒斑が現われる。また、後翅第1~3室は灰白色になり、外中央と外縁に黒斑が配置する。
♀の翅裏の斑紋構成は翅表と同様で、両者に大きな差異はない。