ワトソンアトジロセセリ♂ (北タイ) Iton watsonii watsonii
Watoson’s Wight (North Thailand)
種分布:ミャンマー、北タイ、ラオス

記録:2013/10/28
場所:ムアンガイ、タイ (Mueang Ngai, Thailand)

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ワトソンアトジロセセリ♂ 表面 (北タイ)

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ワトソンアトジロセセリ♂ 裏面 (北タイ)


♂♀類似斑。♀の後翅表面に白斑が現れるが、♂はこれを欠く。

表示亜種 watsonii ♂ (北タイ)
亜種watsoniiの分布:ミャンマー、北タイ、ラオス

北タイでは標高500m程度の低山地で生息を確認している。村落近辺の林縁を飛翔したり、葉に静止したりする。渓流沿いで吸水したり、動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。
所によりアトジロセセリと混生する。飛翔中は類似するが、アトジロセセリの方が白色味が強い。本種は生息地の環境から分布は限定的でないと推定しているが、採集個体は多くない。北タイでは10~11月の気温が下がる乾季で観察しているが、2~3月の暑くなる乾季では観察していない。季節的に個体数の増減があるのかもしれない。

翅表の地色は茶褐色で、前翅中室外側に大きな白斑が3個、その上部前縁に小白斑3個が配置する。また、第1b室中央に白斑が現れる。前翅はこれ以外は無紋。後翅表面中室から内縁肛角に黄土色の長毛を密生する。
翅裏の地色は茶褐色で、前翅中室を中心に黒色味が強くなる。前翅裏面の白斑は表面と同様に現われるが、第1b室中央の白斑はほぼ消失する。後翅裏面では中室に白線条が斜めに配置し、内縁にも白線条が配置する。2本の白線条間をつなぐように、外中央付近に白斑が配置する。また、白線条間の翅脈は白色になる。
アトジロセセリと類似するが、後翅の白斑は大きく異なるので同定は容易である。