ニセキチョウ♂ (ラオス) Eurema simulatrix sarinoides
Scarce Grass Yellow (Laos)
種分布:北東インド、南中国、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、大スンダ列島、スラウェシ、フィリッピン

記録:2019/3/2
場所:ラクサオ、ラオス (Lak Sao, Laos)

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ニセキチョウ♂ 表面 (ラオス)

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ニセキチョウ♂ 裏面 (ラオス)


♂♀類似斑。♀の地色はやや淡色になる。

表示亜種 sarinoides ♂ (ラオス)
亜種sarinoidesの分布:北東インド、南中国、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム

低山地から1,500m程度の中山地に生息地が多く、垂直分布は広い。また、乾燥した草地から渓流沿いまで、生息環境も幅広い。草上や林縁の低位置を飛翔していることが多い。吸水個体や動物性ベイトに誘引される個体は少ないが、時に他のキチョウ属の種類に混ざっている。
飛翔は緩やかで、飛翔中は黄色が目立つ。所によりキチョウやタイワンキチョウと混生する。生態は互いに類似するため、生態から区別することは難しい。
生息範囲は広く、個体数は少なくないが多くもない。あちこちでパラパラ見られる印象がある。発生時期は未確認であるが、乾季でも雨期でも見られたので、おそらく通年で発生しているものと思われる。

♂の翅表の地色は濃黄色。外縁黒帯は明瞭に現われ、キチョウに似る。前翅の外縁黒帯の形状は変化が少ないが、後翅の外縁黒帯の太さは細いものから太いものまで変化する。また内側は後翅翅脈に沿って伸び、波状を呈する。
♂の翅裏の地色は黄色で、前翅裏面中室内の斑紋は2個。個体によっては、前翅裏面の翅端にサリキチョウと同様な黒褐色の斑紋を有するが、本種ニセキチョウの翅端の斑紋は褐色であり、サリキチョウの斑紋はチョコレート色である。また、本種ニセキチョウの翅端の褐色斑紋は、黄色鱗によって分断されることが多い。後翅裏面の亜基部には褐色の円環が3個弧状に配置し、中央には褐色の円環とその上下に不鮮明な褐色線条斑が弧状に配置する。また、外中央に不鮮明な褐色線条斑が弧状に配置する。これら後翅裏面のな褐色斑は、本種では個体により変化はあってもほぼ同等に現われる。