ミダムスルリマダラ♂ (ラオス) Euploea midamus chloe
Blue-Spotted Crow (Laos)
種分布:シッキム、南中国、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、スンダ列島、フィリッピン

記録:2015/4/30
場所:バンビエン、ラオス (Vang Vieng, Laos)

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ミダムスルリマダラ♂ 表面 (ラオス)

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ミダムスルリマダラ♂ 裏面 (ラオス)


♂♀異型、異斑。♂は前後翅に性斑があり、前翅後縁は湾曲する。♀は後翅外縁の2重の白斑列が発達する。

表示亜種 chloe ♂ (ラオス)
亜種chloeの分布:南ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム、マレー半島

海岸近くの低地から500m以下の低山地に生息地が多く、標高が高くなると見かけなくなる。草地が混ざった樹林地でよく見られ、草本上や地表付近を飛翔する。吸水個体や動物性ベイトに誘引された個体も観察している。
飛翔は緩やかで、飛翔中はルリ色が目立つ。所によりルリマダラシロオビルリマダラなどと混飛する。飛翔中はシロオビルリマダラとは容易に区別できるが、外観が似るルリマダラなどとは区別が困難である。
稀な種類ではないが、生息の中心が低地であるため、採集機会が少なくなりがちである。

亜種による斑紋の差異が大きい。
♂の翅表の地色は黒~黒褐色で、前翅表面第1b室に灰白色の棒状性標がある。後翅表面前縁部にも灰白紋状の顕著な性斑を現わす。また、後翅外縁に2重の白斑列を配置するが、亜種により出現に強弱がある。
本亜種chloeの♂翅表地色は黒褐色で、前翅は外縁を除き暗紺色味を帯び、後翅は褐色で前縁は幅広く灰色味を帯びる。前翅表面中室端に3個の淡青斑が現われ、外縁に小斑列が現れるが、個体により減退する。本亜種では、後翅外縁の2重の白斑列は明瞭に現われる。
♂翅裏の地色は茶褐色。斑紋構成は翅表と殆ど同じであるが、前翅中室端3個の淡青斑は明瞭に現われる。
本亜種は、同地域に生息するルリマダラ、ホリシャルリマダラと類似する。本種♂の前翅性標は1本であるが、ルリマダラでは2本、ホリシャルリマダラでは現れない。