ヘべフタオチョウ♂ (マレー半島) Polyura hebe chersonesus
Southern Nawab (Malay Peninsula)
種分布:タイ半島部、マレー半島、大スンダ列島、小スンダ列島

記録:2020/3/15
場所:キャメロンハイランド、マレー半島、マレーシア (Cameron Highlands, Malay Peninsula, Malaysia)

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ヘべフタオチョウ♂ 表面 (マレー半島)

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ヘべフタオチョウ♂ 裏面 (マレー半島)


♂♀類似斑。♀はやや大型で、後翅表面亜外縁の黒斑列は減退する。

表示亜種 chersonesus ♂ (マレー半島)
亜種chersonesusの分布:タイ半島部、マレー半島

低地から標高1,000m以下の低山地に生息地が多い。樹林地の渓流沿いで見かけることが多く、吸水にきたり動物性ベイトに誘引されたりする。
飛翔は速く、直線的に飛翔して吸水にくる。所によりアタマスフタオチョウなど他のフタオチョウと同所的に生息し、同じ場所で吸水に集まる。アタマスフタオチョウとは生態も裏面の斑紋も類似するため、採集前に区別することは難しい。個体数は本種の方が少ない。

翅表の中央に広く水色部が広がり、前翅では前縁から翅頂部、外縁へと太い黒帯が縁取る。翅頂部の黒帯は幅広く、中央部に水色斑が配置する。後翅表面では水色部が外縁まで広がり、中央に翅裏の褐色部が薄く現れる。後翅亜外縁の第1~6室に水色斑を内包する黒斑が配列し、そのうち第1~3室の黒斑は大きい。短い尾状突起が2本ある。
翅裏の地色は灰褐色で、中央に太い水色帯と、その上部に水色斑がある。前翅裏面の水色帯の外側には臙脂色の弦月斑が並び、中央水色帯の上部から内側は黒褐色/臙脂色が縁取る。後翅裏面の中央水色帯の外側には臙脂色の弦月斑が並び、中央水色帯の内側は臙脂色が縁取る。また、後翅裏面外縁の各室には黒条が付随する白色斑が配置する。
モーリフタオチョウと類似する。区別点はモーリフタオチョウの項を参照。