ミツボシオナガアカシジミ♀ (ラオス) Yasoda tripunctata tripunctata
Three-Spot Yamfly (Laos)
種分布:インド、南中国、ミャンマー、タイ、インドシナ

記録:2019/5/28
場所:ノーンペット、ラオス (Nongpet, Laos)

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ミツボシオナガアカシジミ♀ 表面 (ラオス)

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ミツボシオナガアカシジミ♀ 裏面 (ラオス)


♂♀類似斑。♀はやや大型で、前翅表面の黒縁が広くなる傾向がある。

表示亜種 tripunctata ♀ (ラオス)
亜種tripunctataの分布:インド、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム、カンボジア

ラオスでは標高1,200m程度の中山地から低標高側の低山地に生息地が多く、主に自然林内で見られる。樹林地内の山道沿いや林縁の樹木でテリを張っていることが多く、周辺の空間で飛翔するがまた同じ葉の先端に戻るという行動を繰り返す。吸水個体例を観察しているが、多くない。動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。
飛翔は緩やかで、赤色が目立ち、かつ長い尾状突起から種名を特定するのは容易である。生息地はやや限定的であるが、生息地では個体数は少なくない。

季節変異が顕著で、一般に乾季形は翅表の黒縁と前翅中央の黒点が減退する。
翅表の地色は赤橙色で、前翅翅頂を中心とし前縁、外縁と黒帯が縁取る。前翅中央に黒点が3個縦に配置するが、変異が大きく、接続して黒線条に発達するものから消失するものまである。後翅表面では、外縁から肛角まで黒条が縁取り、下部に横断する黒条がある。第2脈の先に細長い黒色の尾状突起があり、先端は白色になる。
翅裏の地色は黄茶色で、不鮮明な短暗線条が並ぶ波状紋が全面に配置する。後翅裏面尾状突起上部は黒褐色線条が内側に伸び、内縁側に灰白色線条が現れる。
フチグロオナガアカシジミと類似する。本種ミツボシオナガアカシジミの前翅翅頂は、フチグロオナガアカシジミより尖る。また、本種ミツボシオナガアカシジミの♂は後翅表面下部に黒条が現れるが、フチグロオナガアカシジミの♂はこの黒条を欠く。稀に黒条が出現するものもあるが、フチグロオナガアカシジミ♂後翅表面内縁は黒褐色を帯びる。♀は両種共に後翅表面下部に黒条を現わすが、本種フチグロオナガアカシジミの♀は前後翅表面基部が褐色味を帯びる。タイでは、フチグロオナガアカシジミは半島部に生息し、北部に生息するミツボシオナガアカシジミと分布は重ならない。