ハリフロンキシタアゲハ♂ (中央・南スラウェシ) Troides haliphron haliphronAppendixIIアイコン
Haliphron Birdwing (Sulawesi)
種分布:スラウェシ中南部、スンバワ、フローレス

記録:2018/2/12
場所:バンティムルン、スラウェシ、インドネシア (Bantimurung, Sulawesi, Indonesia)

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ハリフロンキシタアゲハ♂ 表面 (中央・南スラウェシ)

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ハリフロンキシタアゲハ♂ 裏面 (中央・南スラウェシ)


♂♀異斑。♀の後翅中央斑は淡黄色で、中に黒斑を含む。

表示亜種 haliphron ♂ (中央・南スラウェシ)
亜種haliphronの分布:中央・南スラウェシ

生息地は低地主体で、村落近辺の広い草地や樹林地周辺に多い。少し山側の樹林地では数を減じ、また標高が高くなると見かけなくなる。背の高い草本上を飛翔し、吸蜜に現われる。吸水個体や動物性ベイトに誘引された個体は観察していない。
バンチムルン公園周辺の草地でも多く見られ、民家の庭の花木でも吸蜜する個体が観察できる。サビモンキシタアゲハ、ヘレナキシタアゲハと混生するが、本種が最も多い。飛翔は緩やかで、飛翔中は黄色斑が目立つが、ヘレナキシタアゲハは黄色部が広く、サビモンキシタアゲハは黄色に灰褐色が混ざるので、飛翔中でも区別は可能である。

♂の前後翅表面の地色は黒色で、前翅中央の翅脈両側に灰色燐が散布する。後翅表面の中央には鮮やかな濃黄色斑が配置し、翅脈は黒色となる。この濃黄色斑は細長く、ヘレナキシタアゲハなど後翅に広く黄色部が広がる種類と比べ、特異な印象を与える。
♂の翅裏の地色は黒色で、前翅はやや淡色味を帯びる。翅裏の斑紋構成は翅表と同様であるが、前翅翅脈両側の灰色燐は拡大し、中室端にも現れる。