タイワンモンキアゲハ♂ (マレー半島) Papilio nephelus sunatus
Black and White Helen (Malay Peninsula)
種分布:アッサム、シッキム、ネパール、南中国、台湾、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、大スンダ列島

記録:2023/5/18
場所:キャメロンハイランド、マレー半島、マレーシア (Cameron Highlands, Malay Peninsula, Malaysia)

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タイワンモンキアゲハ♂ 表面 (マレー半島)

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タイワンモンキアゲハ♂ 裏面 (マレー半島)


♂♀類似斑。♀の前翅斜白帯は♂より太くなる。

表示亜種 sunatus ♂ (マレー半島)
亜種sunatusの分布:マレー半島→♀
他亜種1 chaon 分布:アッサム、シッキム、ネパール、ミャンマー、タイ、ラオス→♂, →♀、ベトナム
他亜種2 albolineatus 分布:ボルネオ→♂, →♀、スマトラ

キャメロンハイランド近辺では、19マイルやより低地の8マイルで生息を確認している。19マイルではアカエリトリバネアゲハが飛翔する渓流沿いを飛翔し、吸水に現われる。
飛翔は速く、モンキアゲハと混生する。本種の飛翔中は白斑が目立ち、モンキアゲハとの区別は容易である。個体数はモンキアゲハの方が多く、本種は少ない。

マレー半島亜種は、タイ、ラオス等の大陸亜種chaonと、ボルネオ、スマトラ亜種albolineatusとの中間のような斑紋を呈し、地理的な中間位置との対応があり興味深い。
本亜種♂の前翅表面には、ボルネオ亜種のような斜白帯が現れるが、ボルネオ亜種より細い。大陸亜種chaonの前翅には斜白帯は現れない。本亜種後翅表面第3~7室の白斑は、ボルネオ亜種と同様に大きく現われるが、大陸亜種の第3室には殆ど現れない。このように、翅表の斑紋でこれら亜種は明瞭に区別できる。
本亜種♂の前翅裏面の斜白帯は翅表より太くなり、ボルネオ亜種と類似する。後翅裏面亜外縁の弦月紋列は、本亜種では白色であるが、大陸亜種では薄橙色。