ウスアオオナガウラナミシジミ♂ (ボルネオ) Catochrysops panormus exiguus
Silver Forget-Me-Not (Borneo)
種分布:インド、バングラディッシュ、南中国、台湾、ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、大スンダ列島、スラウェシ、ニューギニア

記録:2019/3/15
場所:ラナウ、ボルネオ、マレーシア (Ranau, Borneo, Malaysia)

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ウスアオオナガウラナミシジミ♂ 表面 (ボルネオ)

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ウスアオオナガウラナミシジミ♂ 裏面 (ボルネオ)


♂♀異斑。♂の翅表に見る淡い水色は♀では減退し、♀の翅表外縁は太い褐色帯が占める。

表示亜種 exiguus ♂ (ボルネオ)
亜種exiguusの分布:台湾、ミャンマー、タイ、ラオス、マレー半島、ボルネオ、スマトラ、スラウェシ

標高1,000m以下の低地~低山地に生息地が多く、樹林地近辺の草地を飛翔していたり、渓流沿いで吸水に現われたりする。また、動物性ベイトに誘引される。
飛翔は緩やかで、草本付近や地表など低位置で見られることが多い。♂の飛翔中は白色味を帯びた水色に見える。ボルネオのサバでは、ニセウラナミシジミと同所的に吸水し、翅を閉じて並んでいると同じように見える。裏面の斑紋は異なるので、確認すれば区別はできる。ただ小型種なので、近寄ってよく見る必要がある。本種の個体数は少なくないが、散発的に見られる印象がある。

♂の翅表地色は淡い水色で、前後翅外縁に極細い黒線が縁取る。後翅表面外縁の第1~3室では黒斑が配置し、第2室の黒斑が最も大きくよく目立つ。続く第4~6室では不鮮明な水色斑が配置する。第2脈の先に細長い尾状突起が延びる。
♂の翅裏の地色は明るい淡褐色。前翅裏面外縁と亜外縁には、白線で縁取られた山型斑列が2列配置し、外中央には白線で縁取られた波状帯が配置する。また、中室端に短条が現れる。後翅裏面にも前翅と同様に、外縁と亜外縁に白線で縁取られた山型斑列が2列配置し、外中央に白線で縁取られた波状帯が配置するが、波状帯の外側は白色味が強くなる。また、中室端に短条が現れ、亜基部にも短条が現れる。第2室外縁の大きな黒斑の内側は橙斑が付随し、よく目立つ。また、前縁中央に黒点が2個現れる。
ムラサキオナガウラナミシジミと類似する。本種ウスアオオナガウラナミシジミの前翅裏面前縁第9室の暗色小点は、中室の短条と外中央の波状帯間の外側よりに位置する。色は淡色で、特に♀では消失する個体もある。ムラサキオナガウラナミシジミでは、中室短条と波状帯間の中央またはやや内側に位置し、色は濃く、得に♂では黒点に見える。