シリアカビロードタテハ♂ (ラオス) Terinos clarissa militum
Malayan Assyrian (Laos)
種分布:南東中国、南ミャンマー、タイ、インドシナ、マレー半島、大スンダ列島、フィリッピン、パラワン

記録:2017/5/19
場所:ビエンチャン、ラオス (Vientiane, Laos)

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シリアカビロードタテハ♂ 表面 (ラオス)

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シリアカビロードタテハ♂ 裏面 (ラオス)


♂♀類似斑。♂は、前後翅に大きなビロード状性斑を現わす。亜種による形態の変化が大きい。

表示亜種 militum ♂ (ラオス)
亜種militumの分布:南東中国、東タイ、ラオス、ベトナム、カンボジア
他亜種 praestigiosa 分布:北・西ボルネオ→♂

低地から1,000m以下の低山地に生息地が多い。自然林内の地表付近を飛翔したり、吸水に現われたりする。時に草本の花で吸蜜する。動物性ベイトに誘引される。
ラオスでは、樹林内外で多く見られた。村落近辺では見かけない。比較的暗い場所で多く、飛翔中はランダムな飛び方との印象を受ける。褐色味が強いのでコノマチョウ類と見間違えるが、本種の方が飛翔は力強い。
稀な種類ではないが、生息地はやや局所的である。

♂の翅表の地色は黒褐色。前翅中央から後縁、および後翅中央上部は黒色ビロード状性斑が配置する。後翅表面の外中央から下部は橙褐色が占め、亜外縁に淡褐色の波形線条が現れる。
♂の翅裏の地色は茶褐色で、後翅裏面の外中央から下部は灰褐色が占め、内側に黒褐色の眼状紋列が現れる。
本亜種の前翅表面には、北・西ボルネオ亜種praestigiosaに見るビロード状性斑周囲の橙色鱗粉は現われず、代わりに暗紺色鱗粉が密に散布する。後翅表面も、ビロード状性斑周囲の橙色鱗粉の代わりに暗紺色鱗粉が密に散布する。また、後翅外縁から肛角部の橙色部は、北・西ボルネオ亜種より狭い。
翅裏の地色は、一般に北・西ボルネオ亜種より濃色である。